英雄集結46

 目玉の親父「さて、その辺はわしが説明するとしようかの。ダヴィンチちゃん。あ~立体映像は皆のもとにつながったかの。泥田坊も、どうやら近くに田んぼがあることに気が付いたようで、だいぶおとなしくなったようじゃ。今の時分がちょうどよいじゃろう。」

 ダヴィンチ「OK、こっちは大丈夫だ。みんなにも連絡が繋がったみたいだし、是非、ご高説を賜りたい。」

 

目玉の親父は、咳払いをしたのち、泥田坊がしっかりこちらの誘導についてきているかを確認したのち、説明を始めだした。

 

…そもそも、泥田坊という妖怪は、田んぼを耕していた農夫たちの怨念であると考えられている。例えば、こんな話だ。昔々、北国に農夫が住んでいた。その農夫は、自分が死んだのちのことを考え、孫のために田んぼを買た。しかし、その孫は、その農夫が死んだのち、田んぼを一切手入れせずにほったらかしにしていた。ある晩、農夫の孫は、彼のおじいさんが買った田んぼの方角から「田を返せ、田を返せ。」という声が聞こえたので、田んぼを見に行ったところ、片目がつぶれ、指が三本しかない化け物に罵られたというものである。

 

 土方「…なるほど。粗末にした田んぼから誕生した怨念みたいなもんなのか。なるほどそいつは田んぼを返せということをいうのも良くわかる。」

 目玉の親父「そういうことじゃ。ちなみにじゃが、泥田坊減反が進んだ昭和のころにも現れたという話がある。国の礎である農業を大事にしない、特に、日本に古くからある田んぼというものだからゆえに誕生した妖怪なのじゃ。じゃが、そんな奴も、あの奇麗な田んぼになら、良き守り神になろうて。」

 

そうして、鬼太郎たちは、冬木から離れた、自然豊かな田んぼに泥田坊を誘導に成功した。そして、泥田坊はそのまま田んぼに安心してか、何事もなく、自然と田んぼに溶け込んでいった。