逃亡劇、そして復活 2

それほどの感想を抱くほど、セイバー足利義輝の強さは常軌を逸しているとしか言いようがなかった。特に、ランサーは過去に冬木の聖杯で対戦したとある弓兵【アーチャー】のサーヴァントのことを思い出していた。

 山本「ほんと、どうやったらあんな化け物に育つんでしょうねぇ?少なくとも、簿記が知っている足利義輝はあそこまでの強さはなかったはず。…というより、あの並行世界から来た松永久秀が召喚した彼は明らかに史実の年齢より年を取っているんですよ。」

 

そう、彼の言う通り、史実の足利義輝は齢30で暗殺されているのだが、目の前の義輝は明らかに40代から50代に見えるのだ。

 ビリー「ふむふむ、ということは、あのセイバーは歴史のIFの存在ってわけだね。もしも、才能あふれた若者がそのまま育っちゃったらっていう所だね。」

 山本「どうやらそういうことだね。しかも、後ろの魔術師二人がうまい具合に補助をしてくるから厄介だ。」

 ランサー「ああ、あの魔術師、かなり手練れだ。的確に魔術を行使してきやがる。…ここはむしろあのセイバーを倒すよりも、取り巻きを倒したほうがいいな。」

 山本「そうですね。…では、まずどちらから倒しましょうか。…いや、ちょっと待ってください。ここは試行を変えてこういう方法もありますよ。…」

 

なにやら話し合いを続けている三人に対し、同じく三人組を率いているケフカは、自分も含めて4人であるためか、かなり余裕の表情を見せていた。