逃亡劇、そして復活 34

 

それが、暗闇に紛れての救出作戦だ。この森に到達して、どうやら夜の帳が降り始めてきたのを利用する作戦である。この作戦は、この森の所有者であるイリヤスフィールがいるからこそできる作戦だ。しかも、味方が割と近くで交戦中らしく、そちらと合流すれば戦局が一気に有利となる可能性が出てきたのだ。

 マシュ「…そうですね。それが一番でしょう。運よく、私たちの仲間となってくれそうな方々がこの森にいらっしゃるとは驚きました。」

 元就「本当に良かった。もともと鬼太郎君と一緒にいた人たちだね。うまいこと合流できれば一番なんだけどね。しかも、一キロも離れていないようだし、急げばすぐだ…と、ハヤテ君、マツカサ集めて何しているのかな?」

 

ハヤテは何やら松ぼっくりを集めているようだ。…一体何に使うのだろうか、疑問に思った元就は、彼に聞いてみた。

 ハヤテ「あ、はい。もうすぐ辺りが暗くなりそうなので、明かりをつけるために集めていたんです。それに、これを使えば焚火の材料にもなりますよ。」

 

松ぼっくり。【コンニチハ】森などに落ちている自然の着火剤で火をつけると良く燃えます。ただ、火の加減に気を付けないと勢いが強くなりすぎてしまうのでよく注意しましょう。

 宗矩「…いま、まつかさから声がしたような気がいたしましたが気のせいであろうか?」

 ジャンヌ「いえ、何も聞こえなかったと思いますよ?」

 元就「うん。何も聞こえなかったようだけど、気のせいじゃないかな?」

 鬼太郎【…じつは、僕は聞こえたような気がするけどここは黙っておこう。】