逃亡劇、そして復活 46

その情報を聞き、元就は敵戦力が思いのほか多いことに頭を悩ませていた。それもそうだろう。別の時空ごとくっつけてしまうという大胆なことはまず思いつかなかったからだ。…あの【魔王】を除いてはまず無理だろう。元就は、敵の軍勢にその魔王の配下がいるという情報は掴んでいたが、もしかしたら本格的に絡んでいるかもしれないと考え始めた。

 

が、先に結論を言ってしまうと、その魔王によるものではない。今回は【時間圧縮】という大魔術を用いているのだ。その魔術を使うものと深いかかわりのある人物が、時空省から彼らのもとに派遣され、たった今元就のもとへ到着した。

 ?「恐らく、この空間を作り出したのは間違いなく魔女【アルティミシア】でしょう。時間圧縮による魔力検知がされたのもつかんでいます。」 

 元就「おお、誰の声かと思ったら、スコール君か!…なるほど、君がかつて戦ったという魔女アルティミシアなら出来るという訳か。しかし、彼女は以前君やリノア、ゼル、セルフィやキスティス君たちが倒したということは聞いているけど?」

 

 ここで、アルティミシアという魔女について簡単に説明しよう。そもそも、スコールはこの世界ではない、時空省に在中する異世界の住人の一人である。そして、彼らが住んでいた世界の遥か未来から来た魔女。それがアルティミシアだ。