拳を極めしもの 2

 ?「ぬぅん?これは、…ふむ。これは、我を誘っているのか?それとも何なのであろうか。」

彼は、導かれるようにそのままその空間の裂け目へ入っていった。そこには、何があるのか確かめるために。

 

しばらくは、真っ暗な空間が続いた。その者は、奥のほうに輝くその場所を目掛け、ゆっくりと進んでいく。そして、そのままさらに奥へと進んでいくと、ついにその光の下へたどり着いた。

 ?「…ここは?」

彼がたどり着いたのは、まったくも異質な場所であった。始めは、一体どうなっているのか理解できなかったが、次第にその異様さの正体が理解できるようになった。どうやら、そこは日本の城、もしくは屋敷と思わしき建物の中が、歪につながっている所のようである。どのように歪なのかというと、部屋の天地が上下左右無茶苦茶になっている上、部屋ごとに重力もそれに準じているのだ。それも無限に。そう、ここは無限城と呼ばれる場所で、とある者の隠れ家として、そして居城として機能している場所なのだ。

 

その城主こと、【鬼舞辻無惨】は、この無限城のどこかの部屋で彼の側近の女性である【鳴女】と一緒にある者の接待をしていた。

 無惨「…分かった。そういうことなら条件をのもう。那由多殿。」

 ?「そうか、それは私としてもうれしいところだ。本来なら、私の協力者であるマダラをよこすつもりだったのだが…こうして自分から話をしようとするのもたまにはいい。最近引きこもり過ぎたようだからね。」