拳を極めしもの 6

 猗窩座【まさか、本当にこの場所に人間が来るとは驚きだ。…しかも、こいつは…久しぶりに楽しめそうだ。】

 

気配を察知した猗窩座は、その強力な気がするほうへ一気に駆け上がったり、駆け下がったりする。その勢いは、獲物を追い求める狼のごとく、といった所か。そうして、ついにそこにたどり着いた。

 

 ?「むっ!」

猗窩座は、ついに強者の眼前に立つ。あまりのうれしさで駆けつけたため、地面に着地する寸前大ジャンプをかましてしまい、激しい音と振動を立ててしまった。

 猗窩座「へぇ~。なるほど、こいつは確かに強そうな人間だ!あんたの気で分かる!今まであった鬼狩りの柱よりもつえぇぜこいつは!…で、あんた名前は!」

 

普通、こういう場面では、その前に、お前のほうから名乗るのはどうだと返すのだろうが、彼は違った。

 ?「我か。…我は豪鬼!拳を極めし者なり!」

とむしろ相手を威圧せんかの如く、相手に背面仁王立ちし、素直に名乗るのであった。

 猗窩座「豪鬼か。覚えたぞ人間!俺の名は猗窩座!お前を倒す鬼の名!鬼全でおけ!」

 豪鬼「笑止!傲慢なる鬼よ!うむが無力さ!その体をもって知れい!!」

 

互いに名乗りを済ませ、早くも戦闘モードである。人外対人外の決戦が、いまここより始まるのであった。