深淵からの脱出2

彼らの言葉に対して、素直に喜べない自分がいた。寧ろ、その時の精神状態は真逆の状態だったからだ。が、彼は皆に心配をかけないように顔を出来るだけ曇らせないようにした。どうやら、敵の気配がしないからだろうか、安心して会話を始めだしたようだ。

 かごめ「そういえば、ハヤテ君君何者なの?可愛いとても只の中学生とは思えない鋭さがあるのずっと気になってたのだけれど?」

 山本「ああ、彼は中学生ながらにしてかの三千院家の一人娘の執事なのさ。なにかの拍子に私たちの時代に迷い込んで、どの後なかなか過去に帰れなくてね。その間私が彼の才能を見込んで時折事件が起こった時に連れまわしていたんだ。今回も、上がそれをわかっていて連れて行かせたんだろう。」

かごめはその言葉を聞いて驚きを隠せないようだ。それもそうだろう。かの中川財閥や西沢財閥、跡部財閥と並ぶ日本の財閥である。…ようは、それだけの財閥の執事をこの年齢で務めているというほど、凄い漢なのである。【ちなみに、凄い漢協会会長である不破刃は彼を会員にしようともくろんでいるらしい。…すごい漢だ。】

 郭嘉「それは驚きだ。曹操殿ならすぐに召し抱えること間違いないだろうね。…さて、もうそろそろ脱出口に…」

郭嘉がセリフを言い終わろうとしたとき、突如森が嘶くほどの暴風が吹き荒れ始める。

 山本「な、なんだ?」

風が吹いたとともに、森の様子がどこかおかしくなったことに気が付いた。何かおかしいと思ったときには既に遅く、辺りにいるのが自分一人であるということに気が付いた。