深淵からの脱出3

 山本「最後の最後で敵の罠にはまったという訳か…が、しかし、なんだろうかこの違和感は?」

どうやら、先ほどの森の中ということには変わりはないようである。が、しかし、明らかに別の空間に迷い込んでしまったという矛盾した謎の場所にいるようだ。

 山本「恐らく、何かしらの魔術で森の中に異空間を作り出したか。」

先ほどの違和感はその矛盾した空間だけという訳ではない。始めは、自分を殺すために一人にしたのだろうと考えていた。が、何故だろうか?殺気が一切感じられないのだ。

 山本「ん?」

山本は、なにか不気味な音が響き渡ることに気づいた。それは、森の中の奥の奥、暗闇へ通じる一本道の奥へから聞こえてくる。明らかに罠ではないかと思いはしたが、ここは先へと進むしか方法がなかった。

 山本「…進むしかないか。それに、この場所が何なのか早く確かめる必要もある。只の異空間であるのか。それともほかに何か目的があるのか?それを求めるために歩みを進めようとした…その時である。

 

 ?「案ずるな。進むのだ。余のもとへ来い。お前に待ち構えておる受難が何たるかを教えよう。」