深淵からの脱出6

 そして、山本は、わずか一瞬で多くの出来事を見た。それは、今から自分やこれから出会う仲間たちとの苦難の未来であった。山本は、余りの情報量に気絶しそうになったが、踏ん張って倒れずにすんだ。

 ?「…ほう、やはり余が見込んだ者よ。そなたならあの男を打ち倒せるのかもしれぬ。さすれば、余はあ奴を出し抜き、この世界の真の支配者となることができる。」

山本は、今見せられた光景が本当に起こりうるのか半信半疑になりながら声を聞いていた。特に、最後に見せれられた物が本当に起こってしまった場合、【異世界中がこの男の前に跪くことになる。】そして、山本は先ほどの記憶を見せられた時、声の主が何を考えているのか見えてしまった。

 山本「…そうか。お前、さてはこの事件の首謀者と手を組んだふりをしてそのうち裏切るつもりか!」

 ?「違う。もう既に余はあの男を利用しておる。…まず、あ奴は余をサーヴァントと思い込んではいるが実際は違う。それは余であって一切余ではない。気づいた時にはもう遅い!その時こそ、余の【ファイナル・オーダー】の餌食になる。そして、誕生するは、新しい余の帝国が出来上がるのだ!!!」

 

彼の言葉と共に、激しい雷が天を覆い、そして、笑い声と共に山本のもとへ一閃が彼を貫いた。…そうして、彼の見た幻はすべて消え、気づけば彼は仰向けになっていた。