拳を極めしもの 12

空中で構えをとった豪鬼は、右手に気を集中させる。すると、そこに気の塊が青白い球体になり、それが凄まじい勢いで猗窩座目掛け飛んでいく。それでも、猗窩座の反応はそれの直撃を許さない。それどころか、むしろ反撃しようと技を繰り出す。

 猗窩座「破壊殺 乱式!!」

凄まじい連撃の蹴りで、気の塊を吹き飛ばす算段だ。普通の人間ならまず100%不可能。しかし、彼は鬼、即ち人外である。人外の技には人外の技で対応するしかない。事実、猗窩座の技はかなり有効的だった。蹴りの速さのせいで衝撃波が発生し、気の塊に直撃。しかし、爆発四散してしまう。どれくらいの爆発かというと、二人の距離のちょうど真ん中で爆発した所、互いに数メートル吹き飛んだほどの威力である。当然、無限城にも被害が及び、一部の部屋が砕け散った。

 

この戦いの状況を見ている三人。無惨、銀河、そして鳴女はこの凄まじい戦いを見つめる。ただ、その戦いの見方というのは、銀河とそれ以外で異なっていた。

 銀河「どうかなお二人?…おや、どこか顔が引きつっているように見えるが?」

 無惨「…私の顔がそのように見えるか?」

 銀河「ええ、そう見える。…いや、別段気にしなくてもいい。恐らく、この世界ではこのような戦いは見られないでしょうからそのようなリアクションも仕方ない。」