全ての始まり 9

 …そうしてその後、彼らが食事をしながら談笑をしていたころ。ここは、どこぞの人も知らぬ異空間。そこに、一連の流れをとある人物に報告するために、マダラはこの場所を訪れていた。

 マダラ「…しかし、なんという場所だ。何とも言えぬこの圧。いまだになれんな…」

それもそうだろう。果たしてここはあらゆる生物が存在できるのか分からない幾何学的な世界空間。並の人間では精神が狂うこと待ったなしといわんばかりの場所だ。マダラは、階段らしき造形物を登っていく。すると、次第に広々とした、更に幾何学的な空間にたどり着く。

 

そして、その者はいた。マダラは、彼に会うたびに不思議な感覚に襲われる。今回も、心の奥底から、宙に浮かぶかのようなふんわりした気分を抑えつつ、その男に事の顛末を報告しようとしたところ、彼の方から話しかけてきた。

 

 ?「…おや、大変お疲れのようだね。その様子からすると、彼に逃げられたと見た。」

 マダラ「お前の言う通りだ。もう後はあの示現流の使い手の元に会いに行くだけだろうな。…しかし、あれだけの兵を集めておいて何がしたかったのだお前は?人間でも、神でもないお前の視点では何を考えているのか分からん。」

 ?「そう言われても仕方が無かろう。…が、実験のためだ。こうでもしなくては、この器に力がたまっているのかどうか分からなくてな。」