拳を極めしもの 12

そうこう話している間にも戦闘はますます激しくなっていく。そのせいで、無限城は相当ボロボロになっている。人外と人外の闘いは激しさを増し、技の応酬となっていた。猗窩座は豪鬼の背後をとって、蹴り上げたが、すぐさま後方へ振り向き、自らも蹴りを繰り出すことで相打ちとする。すると、今度は豪鬼から鋭い突きを繰り出したが、これも猗窩座は己の拳で受け止めた。これ以降も、互いに技を出し合うが、完全に互角である。

ここまで激しい戦いを繰り広げていた両者であったが、中々決着がつかない。

 猗窩座「こいつはつよい。…もしかするとだが、今まで戦ってきた中で最強だろうな…。しかも、鬼狩り以外というのが驚きだ…」

 豪鬼「左様か。我もそなたのような猛者と戦うのは久方ぶりやもしれん。ならば。」

豪鬼は、一旦距離を取り、構えを何故か解いた。そして、猗窩座に何か語り掛けはじめる。

 豪鬼「貴様の強さ、認めてやろう。…が、これで終いよ。…そなたの全身全霊の技を放て。我も必殺技を持って決着をつける。」

 猗窩座「へぇ。成程、面白いじゃねぇか。…いいけどよ、あんた死ぬぞ?それでも良いってんなら来い。」

そうして、両者は再び構えをとる。辺りは、一瞬の静寂に包まる。先ほどの凄まじい戦闘とは魔逆だ。