拳を極めしもの 14

瞬獄殺。字ずらからして物々しい技であるのだろう。だが、どんな技であるのかは見当もつかない。

 無惨「瞬獄殺?いったいそれはどんな技なのだ?」

 銀河「それは見てのお楽しみだ。…もっとも、一瞬で終わってしまう技だ。よく目を凝らしてみたほうがいい。…まぁ、技を受ける猗窩座からすれば、相当長く感じるかもしれないけれど。」

 

話を聞いて、無惨はいよいよ分からなくなってきた。それは拳打によるものなのか、それとも蹴りによるものなのか?それは、もうすぐ明らかになることである。

豪鬼と猗窩座が互いに向かい合って恐らく2~3分ほど時間が経過したであろうか。依然として動く気配はない。互いに、どのタイミングで最高の技を出すか、慎重に見極めているからである。

 猗窩座「…全く、隙がねぇ構えしてやがるぜ。…が、そうでないと俺もあの技を出す価値もない。が、相手は間違いなく俺が出会った中で最強の人間…いや、鬼も含めたら無惨様以来といっても過言じゃねぇな。」

 

猗窩座は、相手のつま先から頭のてっぺんまでの動きを注視する。相手がわずかに動いて隙を見せたその瞬間。彼の技は自動的に発動される。一方、豪鬼も猗窩座の動きに変化がないかどうか相手をよく観察する。タイミングさえ合えば、彼もいつ技が発動してもおかしくないところだ。