全ての始まり17

 銀河「さて、これからどう動くとよいだろうか。もう既に皇帝がどこかへと消え失せてしまったことはマダラにはあえて言わないでおいたが、これが吉と出るか凶と出るか。」

 

銀河がいるところは、これもまた奇妙な空間である。同心円状になっているこの空間には、あらゆる並行世界が映し出されたモニターがこの男を中心に螺旋を描いている。

 銀河「これだけ世界を見渡せるようにしても、奴は完全に隠れている。が、皇帝もまだ大きなことは起こさぬようと見た。今は彼に対して行動をする必要もなかろう。…折角だ、かの時空省の者たちの姿でも見てみるとしようか…。」

 

銀河は、何やら同心円状の空間をまさぐるように調べる。すると、そこには新しいモニターらしきものが現れ、何かを映し出そうとしようとした。…その時である。果たして、何故今まで気が付かなかったのだろうか。…いや、気づいた時にはもうそれは目の前に現れた。

 銀河「!」

恐らく、彼でなければ躱すことが出来なかったであろう。何者かによる斬撃が彼を襲ったものの、間一髪で回避することが出来たのだ。

 銀河「…いやいや、中々大したご挨拶じゃないか。暗殺者を殺す暗殺者殿?」