拳を極めしもの 17

 豪鬼「…滅殺」

豪鬼の前には、仰向けに倒れたまま動けない猗窩座がいた。一瞬の出来事に何が起こったのか全く理解できない無惨。だが、これは紛れもない事実である。

 無惨「…信じられぬ。猗窩座が鬼狩り以外に敗れるなどということは想像もしていなかった。」

 銀河「驚くのも無理もないでしょう。猗窩座は私が見た中でも屈指の強者。ですが、相手は鬼を超えた鬼、彼に勝てる者は果たして多くの並行世界を見ても果たして彼に並ぶものがいるか否かですし。」

 無惨「それでもだ。異界にはこのような猛者がいるということに私は戦慄している。私は本当にこの話に乗って正解だったのだろうかと後悔している。お前のせいであの化け物がこちらに来てしまったではないか。あの者、何か間違ってこちらに向かってこないのか?」

 銀河「安心なさい。…どうやら、彼の気から察するに私と話があるようだ。それに、あなたに危害を加えることもない、安心なさい。それと、猗窩座も死んではいないようだ。…まぁ日輪刀以外では死なんだろうから当たり前だが、どうやら豪鬼も内心喜んでいるようにも見えるからその点でも大丈夫だ。」

と言い残し、そのまま豪鬼のいるところまでジャンプして降りて行った。