欺瞞 15

さて、答えを出したモリアーティ教授。して、その回答と共にそれと同時にどこかで正解音が鳴る。

 モリアーティ教授「あーこれで間違えたら恥ずかしかったからほんとーに良かった。私に問題出すならペアノの定理ぐらいのレベルの問題出しなさい!」

と先ほどの落ち着いたしゃべり方から打って変わって声がひっくり返ったような声を出す。それもそうだろう、間違えたら数学教授として一生悔しい。

 モリアーティー教授「では、正解したのでとっとと先に進むとしよう。さて、これで道が開けるはずなのだが?」

 巴御前「はい。かの声の主からはそのように話を承ったはずなのですが、…その気配がないですね?…おや?教授殿、どこからか何か音がしませんか?」

音。そういわれてみると、金属と金属が激しく擦れ合う音が聞こえるような気がする。陰に隠れている山本の耳にも確かにはっきりとその音は良く聞こえた。

 山本【確かに、聞こえる。しかも、だんだんとこちらに近づいているんじゃないかこれ?…しかし、このローラーのような音も混ざったようなこの音、どこかで聞いたことがあるような気がするんだよなぁ。…ああ、そうか。敵は恐らく俺の憎き相手。ということは、そいつらがいた世界のものを持ち込んでいるということに違いない…いや待て、よく聞くとちょいちょい違う音が混ざっているな。】