欺瞞32

 ?「まぁ無理もないだろうさ。これからだ。私の元へ来るには更に人が必要となるだろうからな。うん?」

 

 どうやら、別のモニターがついたようだ。この空間で何者かが活動を開始したという事らしい。

 ?「ほう。あの木刀の剣士か。どうやら、彼も問題を解いて中に入ることに成功したという訳だな。…意外と知能派とは恐れ入った。あれだけの暗号を解くとは大したものだな。」

 

それだけではない。更にモニターに多くの者たちが画像に映り始める。各々、この空間に挑むための挑戦権を獲得し始めているようだ。戦いが得意なものは戦いを、頭脳が冴える者は己が頭脳を生かし、次々にこの地獄へ足を踏み入れる。

 

 ?「どうやら、運命を乗り越えようとする者が増えてきたようだな。【俺】も次の準備をするとしよう。…その前に、俺はあの少女と話した内容を整理しなければ。それと…いるのだろう銀河?鬼舞辻との話はついたのか?」

 

彼がそういって後ろを振り返ると、先ほどまでいなかったはずの那由多銀河の姿がそこにあった。彼は、いつものように泰然自若としたたたずまいで、フレンドリーに話しかけ始める。

 銀河「ああ、ついたよセフィロス。君もイリヤスフィールと話をしてきたのだろう?」