クラウド・ストライフ 1

日本海側にあるという都市冬木市。そこに、この世界とは違う世界から来た一人の青年がもう間もなく入ろうとしていた。

 ?「ん、ここが冬木か。…さて、ここで間違いないはずなのだが…」

曲がりくねった山道をバイクで走行し、先があまり見えない場所を抜ける。すると、視界が開けて街の全容が見えてきた。町の北側にある海、街の中央を流れる川、それにかかる大きな橋。これぞ、話に聞いた冬木市で間違いない。が、あくまで町全体が見えただけで、もう少し走らせないと街の中には入れないようだ。更にバイクで先に進むと観光者のための写真撮影用に設けられた駐車場が見えた。どうやら、土産屋とカフェが併設されてある観光案内所もあるようである。

 

 ?「…長い距離走ったな。できれば、もう少しこの町に近いところに降りたかったのだが、時空省の人から断られたから仕方がないか。

フェンリルと名付けた愛用の大型バイクを降りると、彼はもう少し街の全景を見渡せる場所まで移動する。

 ?「しかし、この国は自然と人の距離が本当に近いんだな。…ミッドガルよりはるかにいいと思う。」

 風景が気に入ったのか、愛用のスマートフォンのカメラ機能で風景をとり始めた。