クラウド・ストライフ 10

クラウドは、果たしてこんな方法で本当に相手が引っかかるのかと、何度も自分自身を疑うクラウドであったが、もしかしたらワンチャンスぐらいならあり得るというのではというすさまじく淡い期待を胸に抱き、作戦を決行することにした。

 

同じころ、一旦ケニーは、ワイアットと同じ所に戻る。この深い霧の中では、無理に動くことは彼らにとってもさすがに危険極まりないことには変わらないからだ。

 ケニー「よいしょいと。ふぅ~、一旦戻って来たぜ。」

 ワイアット「ああ、お疲れさん。…どうやら、一発目はうまくいかなかったみたいだな。」

 ケニー「残念だけどそうなんだこれが。あの兄ちゃんたち、中々手練れと見た。この霧ん中であれだけの反射神経と銃裁き、大したもんだぜ。」

と、そのままケニーはワイアットの隣に座る。彼らのいる場所はクラウドたちから見ておよそ300m離れた、木々が生い茂る高台である。座ってしまえば、相手からこちらの様子をうかがうのは中々容易ではない場所だ。そんな場所で、中年二人組は霧が薄くなるまで、互いのことを語り合い始めた。何故かというと、この二人組、まさかの今日が初対面なのだ。そこで、相手のことをよく知るために、互いについて語り合おうということらしい。