拳を極めし者 23

無惨は居直ると、 猗窩座は無惨に対して片膝をつく。

 無惨「あの男のことを探れ、運のいいことに、あの男、この無限城に異界への入り口を作ってくれたようだ。何処に繋がっているのかは分らんのだが、その先には何かしらの手掛かりがありそうだ。」

 

無惨はそういうと、このいびつな空間のとある一点を指さした。そこには、虹色にきらめく不思議な穴が開いていた。そして、その穴の横には、二人がよく知る鬼が立っていた。その鬼は、顔面に目が六つ、額には炎の揺らめきのような形をした痣があり、そのいでたちはあたかも戦国時代にいた侍のような風貌をした剣士。彼の名は【黒死牟】。鬼舞辻無惨直属の配下である十二鬼月。その中でも6人の頂点に立つ【上弦】の、その又更にその頂点に立つ【上弦ノ一】の鬼である。 

  

 黒死牟「…無惨様。こちらで間違いないようで。…成程、すさまじく強力な力を感じる。」

黒死牟は謎の入り口をまじまじと見ながら、興味を抱いているようだ。

 無惨「さて、お前たち二人がたまたまこの無限城に来ていたのでな。先遣隊としてお前たちを派遣する。私も後々行くことができれば行くつもりだ。」

 

と、口では言ったものの、無惨はその気はほとんどなく、完全に部下に任せるつもり満々である。