クラウド・ストライフ 28
確かに、こればかりはケニーも参ってしまっていた。彼の言う通り、生身の人間だからこの熱気はきついというのももちろんあるが、まずいくら何でも倒木が多すぎて身動きがとりずらいのだ。
ケニー「ああ、こいつは駄目だ。おい、ワイアット、ちょっと手ぇ貸してくれ。ちょっとばっかし動けそうにない。」
ケニーは、完全に困り果ててしまい、英霊であるワイアットに撤退の手助けをしてもらうことにした。
一方、クラウド達も困り果てていた。敵の影を追ったのはいいものの、結局逃がしてしまったうえ、あまりのひどい山火事に身動きが取れそうにない状態となっていた。
クラウド「これはいくら何でもひどいとしか言いようがないな。」
ビリー「いや、本当にこれはひどい。…おーい。誰かいないかー!いたら返事してくれー!」
生存者がいないか、大声で叫ぶビリー。意外なことに、すぐに答えが返ってきた。
?「むん!ここにおるぞ!!」
その声、天を突かんがごときの声で、一瞬でどの位置かわかるほどの大きなものだった。二人とも、声のする方角へ急行する。そこには、何よりも目だつ兜をかぶった武者と、そのほか三名程がその場にいた。