世に仇し者 セフィロス 9

クラウドは、特に何も起こらないことを確認したのち、その場から離れる。と、同時に、炎が一斉に静まり返った。と、いうよりは、あったはずの炎が消滅したといったところが正しい。

 

 クラウド「やはり、幻覚を見せられていたか。」

 張遼「幻覚…ということは今まで見ていたものは?」

 アルカード「奴の見せた、幻だったということだろう。しかし、なかなか手の込んだ厳格だったな。すべて、本当のことのようだった。」

 

クラウドは、以前も似たような経験をしていたため、途中から違和感に気付いたのだ。恐らく、この幻覚を見せたのは、どこか別の場所にいるセフィロスともう一人いるはずだ。

 

そのセフィロス本人はというと、ずっと先ほどから【阿僧祇の闇】の中に作り出されたモニター室から動いていなかった。先ほどの幻は、セフィロスが見せたもので確かに間違いはない。が、それだけではない。彼には、ある協力者がいた。謎の科学者【ゼーナ博士】である。

 

  セフィロス「…まさか、驚いたな。これほどの幻を同時に作り出せるとは。おかげで、あらゆる世界に【宣戦布告】できた。…流石に、奴が介入してくるのは間違いないが、残念だが、もうこの空間は俺のものだ。あの博士に、感謝しておく必要がある。流石は、俺の細胞のもとになっただけはあるというわけか。元の世界軸の俺は、この状況をどう思っているだろうな?」