片翼の天使 2

 山本「ん?君から電話をかけたわけではないのか?」

 クラウド「いや、そういうわけではないらしい。ついさっきまで違う人に貸してた上に、彼はスマホのない時代の出身だ。ビリー・ザ・キッドという人なんだが、知り合いか?」

 山本「ビリー?ああ、時空省に一緒についてきたよ?張遼たちと一緒に。なんでそっちにいるの?」

 

会話を横で聞いていた皆は、彼の言葉に凍り付いた。そんなはずはない。何故なら、その両名は間違いなくこの場にいるのだ。

 ビリー「え?そんなはずないよ!僕ずっとこの冬木で森の中をさまよってたんだから。なんか罠とかいっぱいある森でもうそれはそれは大変だったから。」

 

山本次官もそのことを聞いて凍り付く。いや、まさかとは思うが、確かにここは偽のカルデア。ということはだ。今まで自分に帯同していたうちの数名はいつの間にか入れ替わった偽物だったということだったというのであろうか?

 山本「本当だ。今のは間違いなくビリーの声で間違いない。張遼殿の驚きの声も聞こえた。…ということはだ。」

山本の嫌な予感はすぐに的中した。が、的中したおかげですぐに判断できた。何処からか彼目掛けて飛んできた何かしらの飛び道具を、冷静に己の愛剣【白閃】で受け流した。