片翼の天使 6

 ジェノバアバター「あら、分身であるこの体からでも私本体の記憶を読み取れるなんて、やはりあなた大したものね。そう、あなたにはもう正体がばれてるから名乗らせてもらおうかしら。表向きは、25世紀の女科学者【ゼーナ・アレンティーノ】。その正体は那由多銀河の使徒が一人【ジェノバ】。それが私の真名。」

 

すると、怪物は再び姿かたちを変え、今度は美しい銀色の髪をした、白衣を着た長身の女性に変化した。

 ジェノバアバター「さてさて、あの怪物形態はちょっとエネルギーを使うので、この姿でいさせてもらうわね。…それと、電話越しの人たちともちょっとお話に加わってもらうおうかしら。」

 

と、彼女は指を鳴らすと、クラウド達の前に突如となくホログラムが現れ、偽のカルデアこと、阿僧祇の闇が作り出した空間にいる山本達が映し出される。それとは逆に、山本達のところには、クラウド達がホログラムに映し出された。

 

 山本【これは…。クラウド、君たちのところには忠勝殿がいるのか。それに、張遼殿も!…ということは、あの二人も偽物だったというわけか。完全に俺ははめられたというわけか。】

 

 どうやら、この偽のカルデアにいたと思っていたあの二人も偽物だったということだということに改めて気づかされた山本次官。敵はなかなか用意周到であるようだ。しかし、一体いつ偽物と本物が入れ替わったのか謎である。が、今はジェノバクラウド達と話すいい機会。何か情報が得られるかもしれない。