決戦 アインツベルン城 17

山本「さて、陰から銃撃してくる奴を含めて後二人だが?どうする?君たちの動きはだいぶわかってきたが?」

 君麻呂「いや?まだ僕は技のすべてを出したわけじゃないから、どうなるかはわからないよ?」

 桃白白「ふふ。そうよ、わしはどどん波だけの男ではない。ここからが本領発揮よ!」

 山本「そうかい。なら、互いに全力を出そう。俺もそろそろ本気でやり合いたい!辻谷君以外で燃えられそうなのは久しぶりだからね!最近は非常にいらいらする戦いが多かったから、今日みたいな戦いはよい。」

 

敵ながらも、相手をたたえる山本次官。その光景を横から見ていた、敗れ去った鬼二人も今までの山本の戦いに驚嘆しながら感想を述べる。

 矢琶羽「…わしら鬼よりすごい奴がおるとは。…生き返ったと思いきやすさまじいものを見せられたわい。」

 朱紗丸「お前もそう思うか?もう死ぬはずのわしらの筈なのだがなぁ。まぁ、もとより一度死んだみじゃ。地獄へと行く前に見ておくかのう。」

と、首から上の状態だけになった二人の鬼。しかし、その顔は不思議と満足そうなものとなっていた。

 矢琶羽【と、一旦死んだとはいうものの、どんな感じで死んだのか露と思い出せんのは不思議じゃな?】

 

と、死にそうな彼にふとした疑問が浮かぶ。そう、那由多銀河が並行世界から生き返らせたものの中には、記憶を一部消去されているということがあるらしい。彼らもそれだ。が、残りの三人はそうではないらしい。戦闘に支障が出かねないとの判断からそうしたようだが、結果的には負けてしまった。それでも、二人は満足だった。何故だろうか、死ぬ直前、二人はある少年のことを思い出していた。