再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 39

そして、最後にマンドリカルド。叙事詩『狂えるオルランド』に登場するタタール人の王。
ローランとの一騎打ちに敗れた亡き父王の後を継ぎ即位するが、敵討ちのため出奔し遍歴の騎士となる。
冒険の最中「湖の乙女」から自分が英雄ヘクトールの血を引くことを告げられたマンドリカルドは様々な試練を乗り越え、ヘクトールの鎧兜を受け継ぐことを認められた。

デュランダル以外の剣を決して握らない」ことを誓った彼は戦いの末にその持ち主ローランと出会い、剣を賭けて決闘することになる。
しかし、抱えていた失恋のショックで突如発狂したローランが走り去ってしまったのをいいことに、魔がさした彼は投げ捨てられた名剣デュランダルと名馬ブリリアドーロを横領してしまう。

当然決闘の立会人の騎士から非難を受けたマンドリカルドだったが、デュランダルを手に入れ、ヘクトールの鎧の魔力でいかなる傷も負わなくなっていたため誰も敵わず、結果彼は傲慢さを増していく。

その後、勇者ロジェロの盾がヘクトールのものと知ったマンドリカルドは、卑怯にも複数人がかりで襲い掛かりこれを強奪しようとし、乱闘の後に仲裁が入ってロジェロと一騎打ち決闘を行う。
そして戦いの最中、無敵の鎧を過信しきったマンドリカルドはロジェロに強烈な一撃を叩き込み、勝利を確信した。

瞬間、「あらゆる守りを破る」力を持つロジェロの魔剣ベリサルダが心臓に突き刺さり……最後の力を絞りきってロジェロの頭に重傷を与えたが、そのまま馬上に留めて命を落としてしまった。というお話である。ある意味かなり悲しい物語の人物である。こんな過去のため、英霊となった現在は謙虚で物腰が低く、根暗になってしまっている。一言でいえば、善人草食系男子。一応、武芸は立つが何せ自信を無くしている。