二章 導入 Drăculea Vlad Ţepeş【ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ】1
その本は、冒頭にこのようなことが書かれてある。
古き良き時代
人々は繁栄と平和のみをむさぼり続け
おそらくこの先も 不安な日々は来ない
そう誰もが思ったに違いなかった……
繁栄と平和の裏には必ず邪悪なる者がいる
人々の繁栄を拒み 平和を堕落という
闇の力を蘇らせ
堕落したこの世を創世し直そうとする者が集まった
いずれも笑みを浮かべて
この先の創世に期待を膨らませているのである
百年の後
再び邪悪なる者が復活したのである
その者は コウモリに 狼に
そして霧に姿を変え
主に夜を好んで行動する
?「…若い女性の血を吸い 永遠の命を保っている者 悪魔城の城主 邪心の神 ドラキュラ伯爵の復活であった…ね。
ふうん、私の生まれるほんの数百年前に、【真祖の神】と呼ばれたこの人が誕生したのね…。まぁ、私たちのいう【真祖】とはまた意味が違うけど、それでも、感慨深いものねぇ。」
ここは日本のとある街の図書館、一人の女性が長机の一席で、とある小説を読んでいる。彼女の名はアルクェイド・ブリュンスタッド、この街に住んでいる、外国から来た女性だ。金色の髪に赤い瞳、そして、非常に美しい容貌をしている。その正体は【吸血鬼・真祖】アルクェイドであるが、変わったことに【血を見るのも嫌】という上に、昼間活動しても、全く問題なく【アツ~イ】ぐらいで済ませてしまうというとても変わった性格をしている。さらに、性格面も、【あっけらかん】というか、【アッパラパー】とか、そういう言葉が非常に似合う性格をしており、とても【吸血鬼】とは思えないという雰囲気を持っている。さらに、女性であるということも余計にそうは思えなくしている。本来、彼女は【個人的な都合】で日本に来たが、【とある少年】に出会って以来、現在は日本に定住している。
そんな彼女は、いつものように街に出かけて、「何か面白いことはなーいかなー」と特に何も考えずにぶらぶらする。そしてなぜか、普段行ったことのない【図書館】というところに足を踏み入れる。