【時空省 時をかける者たち】三章

第三章 エピローグ

ここはとても薄暗い場所だ。光は、人が一人入りそうな、液体の入った容器からするぐらいだ。 うちはマダラは、ゼーナと名乗る謎の科学者に、前段作戦が終わったことを報告するため、彼ら二人以外誰も知りえぬこの研究所を訪れていた。 ゼーナ「あら、思った…

第三章 救援8

ガッツ「…」 ガッツは山本をさりげなくではあるが、山本の方を見つめる。やはり、一体何が起こっているのか気になって仕方がないようだ。 山本「…気になりますか?どうしてあなたがここに来た理由を?」 ガッツは、「ああ」とため息をつくように返事をした。…

第三章 救援7

犬夜叉「ん?ああ、いわれてみれば。」 鬼太郎「そうですね。まだあなたはここがどこなのかよく分かっていないはずですし。」 ガッツ「そうだ。聞きてぇことは腐るほどある。なんであいつらがこの世界にいるのか?あの仮面の野郎は誰だ?首なし野郎は一体何…

第三章 救援6

犬夜叉「よしっ、あとは任せる!一撃食らわせてやれ!」 赤い鉄砕牙で斬り伏せること十度。ついに、結界に薄い部分が見えてきた。幾度も攻撃しないと破る子尾ができなかった理由は、幾重にも幾重にも結界を重ねているためだった。だが、それもあと一回だ。 …

第三章 救援5

犬夜叉「もう少しだ!結構重層な結界だが、この赤い鉄砕牙なら誠一の言う通り、何とかなりそうだ。」 赤い光に覆われたその妖刀は、着実にだがその結界を打ち破ろうとしていた。 次第に、竜巻のような形として現れた結界は、次第につむじ風程にまで弱まって…

第三章 救援4

途中までは完璧だった。しかし、最後の最後で失敗した。原因は、詰めの甘さだった。 彼がこの国に来るとき、必ず来るところがある。自信が気に行っている茶室だ。彼は、茶室の天井にひっそりと隠れ、その瞬間を待った。して、その男はやってきた。今でも、一…

第三章 救援3

アンデルセン「おやおやぁ。これは厄介なことになりましたね…。」 これで、自分たちの足は無くなった。それに、金銭面的な意味でも一気に厳しいものとなった。 逃げるのが一瞬遅れた面々は、軽いやけどを負ったものの、軽症ですんだ。 リヒター「…なんとか無…

第三章 救援2

その黒い渦の中で展開されている物語も、もう間もなく終わる。そのことは、渦中の者たちには未だ知りえなかった。今、彼らが集中しなくてはならい相手は、暗黒たる物語すべての元凶たる仮面の男、【うちはマダラ】だ。 辻谷たちは、突如現れた黒幕に対し、一…

第三章 救援1

黒く渦巻く、竜巻のようなそれは、外側から見ても異常な光景だった。一体何が起こっているのだろうか?砂漠を通りかかる人たちも、一体何が起こっているのか、理解できないでいた。自然現象なのか、それとも、宇宙人による仕業か?それは、常人にはとても理…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 13

ガッツ「くっそ、誰だ!?」 ?「ふむ、それは私のことか?よかろう、私が一体何者か、姿を見せてやろう。」 彼の体を通り抜けていった黒い無数の蝙蝠は、一カ所に集まり始める。次第に、それは人の形を取り始め、遂には、伝説上の怪物、吸血鬼【ドラキュラ…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 12

ガッツにとっては、使徒という怪物は復讐を成し遂げるための道しるべだった。こいつらを追っていけば、あいつに出会える。しかし、あいつが再び人間としてこの世に転生したことで、もうこの異次元空間にはいないことは理解できていた。 ガッツ【不思議だ、連…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 11

タイミングは間違い無い。狙う場所も定まった。後は、一撃で仕留められるように、この弓をできるだけ引き絞るだけ。そして、その瞬間は訪れた。 松永「さて、君たちの猛攻はここで終わりかね?そろそろ私も飽きてきたのだが?」 辻谷「そうかい!良いぜ、俺…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】10

李「一体あの神父は何を考えているのだろうな?…あまりの気迫に流石の俺も少し引いてしまったのだが。」 辻谷「ええ、俺も少し引いてしまいました…。あの人、さっきもそうだったんですけど、敵に対して怖すぎる。」 それもその筈である。そもそも、彼はただ…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】9

そうして、黒のマントを羽織った首謀者は、彼らに会うために歩みを進め始めた。 同時間帯、辻谷たちは【松永久秀】相手に苦戦していた。辻谷は、以前別の平行世界で戦ったことがあるが、その時は手を抜いていたということを理解した。 辻谷「…はぁ…はぁ… 強…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】8

ユービック「単純な話だ。あの首なしの騎士が再び【おまえと戦う】ため、【死にたくない】と感じているたからだ!死ねばお前と戦えぬという絶望に苛まれるからな。」 ガッツは、やはりかと感じていた。今まで後悔していなかった戦士が、それだけ強い後悔を抱…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】7

彼らのすぐ足元には、無残にも引きちぎれたデュラハンが横たわり、その近くにあるベヘリットが血の涙を流していた。 ガッツ『そうか、あんたまた呼んじまったのか。まぁ、前にも似たようなやつにあったことがあるから知ってるだけだがな』 ガッツはそう心の…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 6

松永「残念だが、私を敵だと認識したまでは良かったが、そこまでだ。」 気づいたときには、車の周りに黒い粉が渦を巻いて取り囲んでいた。 李「む、こ、これはまさか…皆!車から離れろ!これは火薬の匂いだ!ここから逃げるぞ!」 その言葉を聞き、車に避難…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 5

辻谷「これは…火薬の匂い。しかも、以前嗅いだことのある匂いだ。ま、まさか。あいつがここにいるのか?」 ?「ご名答、卿の考えている通り、私だ。卿と会うのは久しぶりといった所だな。後ろにいる方々には初めまして、と言っておこうか。」 いったいどうい…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 4

はじめは何が起こったのか、辻谷たちには理解出来なかった。気づいたときには、無数の石版がそびえ立ち、天が紫色に染まり、地は延々と続く砂漠が広がっていた。 ガッツ『ここまで来ちまったか。まさか、人生で二度も同じようなことに出会うなんざ思ってもな…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 3

ガッツ「分からんって、いいのかそんなんで?このままだと、俺たちこっから出られねぇぞ。」 アンデルセン「確かに、このままだと君の言う通りだ。いつまでもこんな所にいるわけにはいくまい。さて、ここれからどうしましょうか…」 彼らは、この赤い荒野から…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 2

彼らを含め、この赤い荒野にいる者たちは、皆同じ人物のほうを向いていた。黒い剣士【ガッツ】である。 ガッツ『…ここは、あぁ、またこの鎧に呑み込まれてしまったみてぇだな。』 これでおそらく三度目だろう。またしても鎧に頼ってしまったようだ。一応のと…

第三章 欲望の守護天使【ゴッドハンド】 1

この戦いを見ていたものは、どうやら別にもいたようである。今回の事件の首謀者の一人、【うちはマダラ】と、その協力者 【ドラキュラ伯爵】、そして、しばらく存在を隠していた【松永久秀】の三人だ。 マダラ「…そうか、やはりあの黒い剣士が勝つか。お前の…

第三章 BERSERK 10

だが、その驚きも今のガッツには全く聞こえていないだろう。すでに彼は、古に伝わるベルセルクそのままになってしまったのだから。 ガッツは、敵がまだ動けることがわかると、弱り切ったウサギに襲い掛かる虎の如き行動に出た。 デュラハンは、一体これほど…

第三章 BERSERK 9

辻谷「そうですね。まさに、その時が来たというわけですね。司馬懿殿がおっしゃった通り、この方が300OD様がこの過渡をこちらにお呼びになさった。」 これでこの戦いに先手を打てる。彼はそう確信した。しかし、問題点は二点ある。まず一つ目は、キーマン…

第三章 BERSERK 8

アンデルセン神父「成程、話はあらかた理解出来ました。あの鎧は、自身の能力を上げる代わりに、己の心の中に存在する【獣】に乗っ取られてしまうというわけですね?」 辻谷は、その通りと首を縦に振る。そう、あの鎧を着ると心の中に住まう【闇】の部分が表…

第三章 BERSERK 7

以上で語りは終わりである。今、目の前で彼が燃えるような気で【使徒】と戦っているのはそういった理由があったからである。そして、現在彼は踏み入ってはいけない精神的境地に達しようとしていた。それは、彼のつけている鎧にすべての原因があった。 辻谷【…

第三章 BERSERK 6

そう、その時見せられたのは、今まさに正面で咆哮を上げている一人の剣士であった。あの時、我々が見せられたのは、この男がこの世界へ何者かの手によって連れてこられたということ。そして、彼がこの事件を解決するためのキーマンになるのではないかという…

第三章 BERSERK 5

司馬懿「うむ。それでだが、どうやら何か不穏な空気がある三つの次元で観測されたのだ。まず、お前たちが向かう20世紀のネバダ。次に平行世界の19世紀イギリス。そして、もう一つはこの世ではない場所で観測された。恐らく、これから我々が体験したこと…

第三章 BERSERK 4

間も無く。漢字で表すとこのようになるが、その言葉通り、すぐに何か物音がし始めた。最初は、本当に小さなもので、聞き取るのもやっとというところであった。30秒ほど経った時には、さらに大きくなり、間違い無く金属の音であるということが理解できた。…

第三章 BERSERK 3

ガッツ「そうかい。なら、あんたは俺にとって敵ってことでいいんだな?!」 ガッツの顔つきが再び怪物たちと戦った時の表情になる。いや、今はそれ以上の憎悪がこもった顔だ。今にも、すべてを飲み込んでしまいそうなその威圧感を全身から醸し出す。 ヴァレ…