時空省【時を超える者たち】 5-3章

5章 終

山本は、暗がりの部屋で明日のことに考えていた。ほかに何か抜けていることはないか?…イリヤスフィールには冬木市内の調査をお願いしているから問題はない。タイムマシンの中でまとめた資料も問題なし。後は寝るだけだ。しかし、本当に静かだ。このカルデア…

全ての始まり21

彼は、己が名を表す銀の渦を見渡しながらどこからともなくシャンパンが入ったグラスを右手に出現させる。そのシャンパンも、恐らくこの星の時間軸では作り出せないような代物だ。何せ、そのシャンパンは、銀河を再現したものとなっているからだ。 銀河「さて…

全ての始まり20

銀河「さて、本来のカルデアは希臘【ギリシャ】異聞帯を攻略してアトラス院にいるのだったな。それが余計にまずい。我が権能とマダラの力によって偽のカルデアを作り出した。が、かのマスターとサーヴァントは今頃夢の世界で偽のカルデアライフという訳だ。…

全ての始まり19

銀河「忠告は受け取っておこう。が、しかしだ。私はそれでもやらなければならないのだ初代よ。…やはり君は私と敵対するのか?」 銀河の問いに対する山の翁の返答は。「然り」の一言である。 銀河「だろう。君はこの星の抑止力だ。私の計画は君たちグランドサ…

全ての始まり18

彼の目の前には、髑髏の面をし、全身黒ずくめの鎧を装着、して大剣を持つ死神がたっていた。髑髏の面をしたその者の名はハサン・サッバーハ。通称【山の翁】と呼ばれる人物である。英語で暗殺者を意味するアサシンの語源となった人物で、侵略者からイスラー…

全ての始まり17

銀河「さて、これからどう動くとよいだろうか。もう既に皇帝がどこかへと消え失せてしまったことはマダラにはあえて言わないでおいたが、これが吉と出るか凶と出るか。」 銀河がいるところは、これもまた奇妙な空間である。同心円状になっているこの空間には…

全ての始まり16

マダラ「では、どうする?」 銀河「今はまだ奴は行動に移さないはずだ。…が、邪魔はしてくる。恐らく、限定月読に奴の弟子の誰かが入り込むはずだ。…恐らく、もう入り込んでいるだろう。…という訳だ。恐らく、作戦の半分は成功するだろう。が、半分はシスの…

全ての始まり15

マダラ「何?一体どういうことだ?」 マダラは始めは彼の言葉を疑った。いや、確かにあれは冬木の大空洞で召喚したサーヴァントの筈。一体どういうことなのだろうか? 銀河「まぁ混乱するのも仕方がないだろうさ。私も気づくのが遅かった。ゼーナもじきに気…

全ての始まり14

マダラ「それならば、もう準備は整ってある。すぐにでも先手を打つとしよう。…ん?誰かきたか。」 銀河「ああ、私の直属の斥候だ。…入って構わないよ。何か連絡しないといけないことがあるのだろうからね。」 この異空間に、また別の者が入ってきた。どうや…

全ての始まり13

マダラ「ジェダイか…お前の話によく出てくるがそれほどに凄いのか彼らは?」 銀河「ああ、凄いとも。私が行使することのできない力を持った者たちだ。…かの皇帝と同じ力を用いるものであるにも関わらずどうしてああも違うのだろうな。…などと懐かしんでいる…

全ての始まり12

銀河「ああ、まさかここまでうまくいくとは思っていなかったな。彼らにはつらいことをさせてしまってはいるが、これも仕方がない。が、やらなくてはならない。しかし 、そろそろ本当のカルデアが騒ぎ始める頃合いだ。」 マダラ「そうだな。作戦通り、連中を…

全ての始まり11

銀河は、自分が立っていた場所からマダラの方へと歩み寄る。その足取りは、その若さとは似つかわしくないほどに王者の風格を漂わせるもので、年長のマダラよりもよほど落ち着いた雰囲気を醸し出している。だが、マダラの前に立つとどこか飄々とした態度をと…

全ての始まり10

その彼の言う器は、彼のすぐ真後ろにある不可解な形をした巨大な壺のようなものだ。なにやら、底のほうにうっすらなにやら光るものが入っているのが分かる。が、この【器】と呼ばれるものの大きさと比べてあまりにも少ない。 マダラ「…あれだけやってそれだ…

全ての始まり 9

…そうしてその後、彼らが食事をしながら談笑をしていたころ。ここは、どこぞの人も知らぬ異空間。そこに、一連の流れをとある人物に報告するために、マダラはこの場所を訪れていた。 マダラ「…しかし、なんという場所だ。何とも言えぬこの圧。いまだになれん…

全ての始まり8

山本「大丈夫、このタイムマシーンを舐めてもらってはこまる!何せ、一か月分の食糧を備蓄済みだ。ちなみに料理は25世紀の科学力を用いてすぐに出来上がる!早速やってもらおう!。」 と、山本はどこからともなく取り出したリモコンを用いて何やらボタンを操…

全ての始まり7

山本「13時13分…嫌な数字だな。まさに、前の大戦の再現のような。」 彼の言う通り、前回の時空大戦のときも。13時13分に開戦したからだ。そういったこともあり、まさかとは思うが、死んだと思われていた【あの男】が生きているということか、もしくは模倣犯…

全ての始まり6

冴羽「ちょっとまて!ということは俺の時代はどうなってんだぁ?もしかしてなんかもう既にひどーいことになってない?」 王ドラ「そう思いまして、山本さんが気絶している間に全員分の時代分調べました。その結果なんですが…。」 犬夜叉「その結果が?」 郭…

全ての始まり5

山本「これは、…写輪眼!これは一体?」 王ドラ「ええ、恐らくあの仮面の男の仕業でしょう。どうやら、写輪眼の力を使って操っていたそうらしいです。22世紀のタイムパトロールがこの件について調査していたところ、時を同じくして25世紀の時空省及びタイム…

全ての始まり4

王ドラ「そういうことで、今キッドがタイムパトロールの仕事でここを離れてます。」 山本「そうか…。ん?ちょっと待ってあれ、君たち22世紀とは音信不通とか言っていなかった?」 王ドラ「ええ、どうやら私の居場所を突き止めることができたらしいのですが、…

全ての始まり 3

山本「ああ、さっき話した通り、夢の中で何者かが俺の精神世界に直接語りかけてきたってわけになるのか。どうも、日本時空省に、自分が見たのと全く見た目が同じ老人が出たって話だ。そいつは、自分のことを皇帝って呼んでたらしい。それで、何者か時空省で…

全ての始まり2

さて、話しを戻そう。山本の疑問に対し、ジュードは、何故かこの部屋の入口の方を無言で向いた。 山本は、その無言のセリフから何となくではあるもののすべてを悟った。恐らく、扉の向こう側には恐らく自分のことを心配しているんだろうみんなが外で待ってい…

全ての始まり1

気づいた時には、自分は時空移動マシーンに乗っていた。始めは、視界がぼんやりとして全く辺りの様子が分からなかった。が、次第に目がはっきり見えるようになるとともに、誰かが自分のそばにいることがすぐに理解できた。 ?「よかった、気が付いたみたいで…

深淵からの脱出6

そして、山本は、わずか一瞬で多くの出来事を見た。それは、今から自分やこれから出会う仲間たちとの苦難の未来であった。山本は、余りの情報量に気絶しそうになったが、踏ん張って倒れずにすんだ。 ?「…ほう、やはり余が見込んだ者よ。そなたならあの男を…

深淵からの脱出5

山本の考えている通り、ここはアインツベルンの森もどきとは違う、声の主の心象風景が具現化した場所である。 ?「お前の言う通りだ、若き者よ。ここは余の心象風景。この星からははるか遠き場所にある、余の拠点があった場所の再現よ。」 山本「…この星とは…

深淵からの脱出4

山本【受難?何だろうかそれは?…ここは、先に進むしかないようだ。」 山本は、声がする方向、道の奥へと進んでいく。道中始めは、先ほどと同じように森の中を進んでいくのだが、途中から、明らかに道のりが変わってきた。 山本【なんだ?次第に森から離れて…

深淵からの脱出3

山本「最後の最後で敵の罠にはまったという訳か…が、しかし、なんだろうかこの違和感は?」 どうやら、先ほどの森の中ということには変わりはないようである。が、しかし、明らかに別の空間に迷い込んでしまったという矛盾した謎の場所にいるようだ。 山本「…

深淵からの脱出2

彼らの言葉に対して、素直に喜べない自分がいた。寧ろ、その時の精神状態は真逆の状態だったからだ。が、彼は皆に心配をかけないように顔を出来るだけ曇らせないようにした。どうやら、敵の気配がしないからだろうか、安心して会話を始めだしたようだ。 かご…

深淵からの脱出1

山本たちは、間もなく脱出地点という所まで来ていた。各々、何かしら光源を持ち出し、辺りを注意深く観察しながら暗い森を抜けるところまで来た。 山本「もう少しで脱出地点だ。…みんな、大変迷惑をかけて申し訳なかった。」 ランサー「いんや、あんたは寧ろ…

強者相まみえる13

誾千代「ああ、この雷切で敵を薙ぎ払ってやろう。さて、ジャンヌと巌窟王だったな。後はこの立花に任せよ。では、後で会おう宗茂。」 宗茂「ああ、後で落ち合おう。…という訳でだ。多勢に無勢で申し訳ないが、我々の相手をしてもらえるだろうかおふた方。」 …

強者相まみえる12

立花家は、元は現在の大分県を主な領土として支配していた大友家の家臣である。今回援護に駆けつけてきたのは、戦国の世が終わったのち、九州柳川で大名となる立花宗茂と、その妻である立花誾千代夫妻だ。…と、こういった書き方をすると勘違いを起こしてしま…