第二章 前日10

 エド「銀さん。いいですか?ゆっくり首を後ろに向けてください!いいから、何でもいいから!」

銀時は、彼の言葉で自分の置かれている状況が少し理解できたような気がした。銀時の顔は、無意識のうちに引きつり、首をゆっくり後ろのほうへ向ける。

 銀時「いや~まさか、そんなわけがねぇよな。いや、だって俺もたれかかってんの街灯だし、誰かいるだなんて…」

そう自分でいったものの、何やら街灯にしては青み掛かっているうえに、太い。しかも、したを見れば何やら足のようなものさえある。それは本当に足なのかどうか、思わず疑ってしまうように、それは大きいのだ。

 銀時「い、いや、こここんな大きな足を持った人間なんていないはずだよな!な、そうだよな銀時。」

そう自分に言い聞かせたが、上から何か声のようなものが聞こえた瞬間、疑いは確信に変わった。そう、自分がもたれかかっているのは巨大な【怪物】であるということを。

 ?「ファファファ、何やら足元がこそばゆいと思えば、そこに誰ぞおったのか。このわし、【エクスデス】を前にしてなかなか豪胆なものよ。」

銀時はその声を聞いた瞬間、物凄い速さでエクスデスから離れて急に謝りだし始めた。

  

 銀時「すんませんでしたああぁぁぁ!!!! 命だけは、命だけは取らんといてください!!!何も悪いことはしてないよ俺!!」

ほかの三人は、突然こちらのほうへやってきた彼を見て、

 エド&アル&冴羽「急になんかこっちきた!!」と驚きとツッコミの声を上げた。

 エド「銀さん、いきなり慌ててこっち来ないでください!!めっちゃびっくりしたじゃないっすか!」

 銀時「いや、なんかやべぇもんに俺もたれかかってたみてぇじゃん!!なにあれ!4メートル近くあるよあの鎧の怪物!」

改めて、4人はエクスデスの大きな体を見る。その姿は、突如現れた巨木が如しだ。こちらに向かって歩き出したそれは、鎧がきしむ音を夜の街に響き渡らせる。動きは非常に悠然としており、相手に対して圧倒的な威圧感を与えている。エクスデスは歩きながら、非常に低く、老いてはいるものの威厳のある口調で目の前の小さき者たちに話しかけてくる。

 

 エクスデス「そなたらが驚くのも無理はあるまい。かつて、わしに挑んだ【バッツ】という青年も驚いておった。さて、おぬしらの相手はわし一人で相手をするよう客人から頼まれておる、ここで観念するがよい。」

 その言葉に対し、4人も戦闘態勢をとらざるを得ない状況になってしまった。だが、こんな巨体相手にどう立ち向かうか、4人共、考えはその一点に集中していた。