第三章 救援7

 犬夜叉「ん?ああ、いわれてみれば。」

 鬼太郎「そうですね。まだあなたはここがどこなのかよく分かっていないはずですし。」

 ガッツ「そうだ。聞きてぇことは腐るほどある。なんであいつらがこの世界にいるのか?あの仮面の野郎は誰だ?首なし野郎は一体何もんだ?それに、あんたらについて詳しいことをよく聞いてないんだが?」

 

 彼の疑問は最もだ。気付いたらどこだかよく分からないところに飛ばされ、ゴッドハンドに再開し、まったく違う世界の人たちとこうして会話していることが、未だに頭の中で理解でき無いと拒否反応を示しているからだ。

 山本「それもそうだろうさ。しかし、こんな砂漠の中で話すわけにはいかないなぁ。それに、もうすぐ夜だ。砂漠の夜は一気に気温が下がって氷点下を下回ることなんてよくあることだ。先に砂漠を抜け出すことを考えよう。もうすぐ、僕の部下が移動用の車を運転してやってくるはずだ。ちゃんと全員、余裕をもって乗ることが出来る台数は確保しているから安心してくれ。

 それからほんの数分後、手配したとおりの台数分の乗用車が到着した。各々車に乗り込み、目的の場所である【デス・シティー】という名の一風変わった町へ移動を開始する。

 移動中の反応は様々だ。現代社会に溶け込んでいる者たちは、人間や妖怪関わらず自然な気持ちで会話している【とら・鬼太郎が該当する】か、落ち着いた雰囲気でゆったりしていた。しかし、この時代になれていない犬夜叉は、少し戸惑った面持ちだ。

 同じく、別の車にのっているリヒターやアタランテも戸惑っている。アタランテは特にそうだ。彼女の生きていたギリシャ神話の時代は、チャリオッツ【馬が引いて動かす戦車のこと】あったぐらいで、リヒターが乗ったことのある立派な馬車すらない。見かけによらず古風な雰囲気の彼女も、この時ばかりは、只々、興味津々な一人の少女その者であった。

 ちなみに山本と同じ車に乗っているのは、ガッツ、辻谷、式、ヴァレンタインというなんのつながりもないメンツである。