第二章 前日 2
山本「えぇ…、あれからもう2年ですか。私はこの通り出世したというのに、彼らはもうこの世にいない…。」
私は下を向き、あの凄惨たる地獄を思い出す。今でも思うことだが、あの時、力があったならばと今でも考えてしまうということだ。
長官「…やはり、今でもあの時のことを考えてしまうのだね。仕方なかろう。あれは確かにおぞましい事件だった。何せ、死人に襲われるというだけではなく、さらに恐ろしいことに、お前以外の生存者がいないというからな。」
長官は私のほうを真剣な目つきで見つめる。どうやら、私が今、どのような心境であるかをその目で確かめているように。そのあとすぐさま席を立ち、真後ろにある棚から何かを取り出した。どうやら、書類のようである。それを自分の席に置き、私に対してそれをみるように催促する。
山本「…これは?21世紀の西東京、学園都市について書かれていますが…?」
長官「うむ、君は本来なら明日からの休暇をここで過ごすことになっていたようではないかね?これは偶然か否か、よくわからんが、君が休暇を予定していた次の日に何やら起こると【時空石】が告げておるのだ。すまぬが、休暇のついでにいってきてはもらえぬか?それとだが…」
そのあと、長官は今日起こったことについてのマスコミへの対応は極力私が何とかする。今日は早めに帰宅して嫁さんの【勝利祝い】をしていけばよかろう等という話で終わった。私はそのまま正面の入り口から出ようとすると、長官は私に手招きをする。
室長「待ちなさい、そのまま正面から出てしまっては外がうるさかろう。こっちだ」
室長は、先ほど書類を出した棚に触れる。すると、その棚が消えて扉が現れた。私は長官に従うまま、その扉に入ると無事に外へ出ることができた。
しかし、面白いものだ。この裏口はただの裏口じゃない。この空間は、まさに時空省の技術の結晶ともいえるものだろう。この扉は、日本時空省の敷地限定ではあるものの、どこへでも抜けられる扉なのだそうだ。
山本【感謝いたしますよ、室長。これで、さっさとうちに帰れそうだ。】
そのまま私は車に乗り込み、報道陣の裏を書きながら、無事に時空省の敷地内から脱出できた…が!!
山本「すまんが君たち、なんで私の車に乗っているかな?」
私の車は、21世紀でいうところのワゴン車に相当するのだが、何故か席が満杯になっているではないか!!
ちなみに席にいるのは、【エルリック兄弟】【坂田銀時】【迷い込んできた三人組み】【ネコ型ロボットの中国のほう】【毛利親子】そして、彼は今回初登場の三人…【スナイパー 冴羽獠】【執事 綾崎ハヤテ】【天才軍師 郭嘉】という、はっきり言ってなんの関連もないメンバーがいつの間にやら乗り込んでいた!