第二章 前日 18

ほかの皆も次第に異変に気が付く。それは敵でも味方でも同じである。

 ゾロ「何だ?この気持悪い感触は?」

エクスデスと戦っていたゾロたち、そのほかにも、

 エルザ「む、この感じはいったい?何か嫌な予感がする…」

元就「確かに、嫌な感じだね。何か、暗闇に引きずり込まれるかのような…」

 この二人も異変に感じ始めていた。それは、ここにいる敵味方すべて者たちが感じ取っていた。そして、それは完全に現れた。おそらく、結界の外にいるものは誰も気づかないのだろうが、今まで聞いたこともないような爆音が響く。それと同時に、足元から現れた闇に引きずり込まれ始めたのだ。

 元就「こ、これは一体何が!?」

闇へと引きずり込まれている我々を見ながら、エクスデスらはこの時を待っていたといわんばかりのリアクションをとる。

エクスデス「…うむ、どうやら始まったようだな。そなたらとはほんのわずかしか手合せ出来ずじまいであったが…」

角都「我々は引き上げなくてはならなくなったようだ。…さて、お前たちはどこへ連れていかれるのか非常に楽しみだ。」

 次第に暗黒の正体が何者なのか、時がたつにつれて次第にはっきりとしてきた。これは何かしらの魔術の類だ。しかも、これは【異空間】へといざなう魔術だ。

 山本「これは、一体!?これほどの術で何をしようとしているんだ」

周囲はこの魔術の巨大なエネルギーによって激しく鳴動し、激しく揺れ動いていこうとしている中、【すべての元凶】が姿を現した。

 「どうやら、うまくいったようだな。時空省の次官とやらはその程度か?」

暗がりから現れたその男は、あの仮面の男と同じ【暁】のマントをしている。そして、その眼を良く見ると…

 山本「あれは…写輪眼! そうか!ことの真相がすべて読めた!あの時、長官だと思っていたのは貴様だったということか!」

 

その写輪眼を持った男【うちはイタチ】が、変化の術で長官と入れ替わり、偽の命令で仲間をおびき寄せたのだ。そう!まさにこの場所に我々がいることもである。

 イタチ「もう遅い。今更すべてを悟ったとしても何も変わらない。再び会いまみえる時が来るまで楽しみにしている。」

我々は、こうして深い闇の中へと引き込まれていった。一体どこへと連れていかれるも知らずに。