異世界侵攻録 逃亡と進行 7
一体いつの間にこのような状況になっていたのだろうか?宙には、先ほどの水計の余波で辺りに散らばっていた大量の水滴や、瓦礫や小石が浮かんでいるではないか!
ルキア「なん…だと…」
あまりの光景に言葉を詰まらせた彼女のことなど尻目に、容赦ない攻撃が始まった。突如、水滴はあたかも拳銃から発射された弾丸の如く、小石は散弾銃から放たれた弾のように襲ってきたのだ。間一髪かわすことはできたものの、目の前の相手がいかに恐ろしいかよく理解できた。
白夜「大丈夫か!」
ルキア「はい、何とかかすり傷程度ですみました。寧ろ、兄上は?」
白夜「いや、私も問題ない。何とかかわすことが出来た。…しかし、一体何が起こったというのだ?」
先ほど起こった事象に二人は驚愕以外の感情は湧かなかった。ただの小石や、雨粒ほどの大きさしかない水滴が宙に浮いたと思いきや、それが地面に穴が開くほどの威力で攻撃を開始したのだ。
サーレー「さてさて、第一陣は見事に躱されたか。ま、そうじゃなければ楽しくはねぇけどな。てなわけで、第二陣の準備だ。さてさて、準備は出来てっかジョゼのおっさんよ!」
彼の掛け声と共に、今度は何やら別の誰かまで現れた。
ジョゼ「よしよし、やっとこの私の出番が来たというか。行け!我が幽兵達よ!あの二人を追い詰めなさい!」
突如塀の上から現れたジョゼ・ポーラが、第二陣を繰り出し始めた。第二陣は、魔法によって作り出された幽霊の兵士たちが次々と襲い掛かる。
白夜「ほう、今度は幽霊の兵士か。だが、他愛ない。その程度では、この私の斬魄刀【千本桜】の前では無力としか言いようは無い。」
だがこれも、ことごとくすべて打ち取られてしまった。やはり、相手のほうが一枚上手である。
サーレー【さてと、こいつも駄目だ。…まぁ、これでやられてしまうようでは俺の出番はないからな。でだ…】
サーレーは、相手を本気にさせるために新たな技を繰り出そうとする。いよいよ、彼の真骨頂が明らかになろうとしていた。