5章 プロローグ 4

 ?「おお、これはこれは、面白きこともあるものだ。まさか、余を呼び出したのがそなたとはな朋よ。」

驚いた。それが率直な感想だった。噂で聞いていたが、これほどまでにうまくいくとは思っていなかったからだ。

 松永「いやいや、まさか本当にこのようなことが出来るとは思ってはいなかったが…本当に出来るとは驚きだな科学者殿。」

普段薄ら笑いを浮かべている彼が、珍しく驚きの表情を浮かべている。何故なら、彼が呼び出したのは面識のある人物だったからだ。その名を【足利義輝】。室町幕府13代将軍で、剣豪将軍と呼ばれた人物だ。ただ、私たちが生きているこの世界の直接的な過去からではなく、平行世界から来た同一人物である。それゆえか、若くして亡くなったとされているのに、威風堂々とした壮年の姿であるのは、恐らくあちらではそれなりに長生きしたからだろう。

 

 ゼーナ博士「ええ、何せこちらには協力な大魔導士様が魔力提供をしてくださっているんですもの。そうですよね、エクスデスさん?」

彼女が後ろを振り返った先には、先ほどまで姿を隠していたエクスデスという名の大魔導士が姿を現した。彼らをはるかに上回る【2倍ぐらいあるだろうか?】巨躯をして、全身青い鎧に覆われたその魔導士は、何かと機嫌がよさそうな声で笑い始めた。

 エクスデス「ファファファ。儂のいた世界では想像も出来ぬ魔術よ。さて、あとは他の英霊たちを呼び出せばそれでよいのだな?うむ、実に素晴らしい。」

 そんな風体をみて、改めて本当にこいつは魔術師なのだろうかと思う二人であった。しかし、我々の中で【組織内全員でという意味】一番魔力量が多い人物且つ最も魔術に長けているのは彼なのだ。器用さとパワーを兼ね備えた魔術師なぞそうはいないが、彼は特にいいとこどりなのだ。

 マダラ「まぁ、満足なのは良いが、早く次の召還を行ってもらいたいが、構わんか?」

 エクスデス「そう焦るな。すでに準備はできておる。後は、召喚の儀式を行うだけだ。