5章 プロローグ 5

 マダラ「なら別に構わんが、…本当にこれだけの数をお前一人で制御できるのか?俺にはまず不可能だとしか思えんが?」

 エクスデス「無の力をなめてはいかんぞ、忍びよ。伊達に長生きはしとらんぞ。それに、そなたらが召喚しようとしているサーヴァントのほうが儂としては心配じゃ。」

 西洋風の鎧兜を装着しているからであるが、顔の表情はあまり読み取れないものの、彼にしては少々心配そうな声でマダラにそう問いかけた。

 マダラ「確かに、お前の言う通りだ。何せ、今まで召喚したことのない【クラス】を呼び出すのだ。俺も少しの不安はある。だが、問題はなかろう。ここは、あの冬木市だ。」

さて、ここで補足説明を始めることとしよう。サーヴァントという存在についてである。彼ら彼女らは簡潔にいえば、人類史において何かしらの偉業を成し遂げた【英霊】と呼ばれる存在である。そして、今現在マダラたちが行っているのは【英霊召喚】というもので、人類の守護者である彼ら彼女らを呼びだす儀式を行っているのだ。…本来ならば。

 彼らは、この儀式を悪用しようとしているのだ。英霊は、マスターと呼ばれる【召喚者】に一部を除いて忠実な存在である。それを利用し、自分たちの手駒にしようということだ。そこで、マダラたちはここ【冬木】という街を儀式のスポットとして選んだわけだがしっかりとした理由があるのだ。かつて、この場所では【聖杯】という万能の願望器を巡って英霊を戦わせるということが行われていたらしく『聖杯戦争と呼ばれているらしい』、それならこの場所で召喚すれば多くの英霊たちを呼び出せるのではないかと思いついたのだ。そういう経緯もある。マダラはここでやるなら問題ないと踏んで決起したのだ。

 ゼーナ「そうね、ここなら世界中あらゆる英雄を呼び出せる。しかも、あなたなら恐らく心配ないでしょうし、私が呼ぶ英霊も問題なく呼び出せるでしょうね。しいて言えば、この星には存在しなかった【エキストラクラス】。剣士【セイバー】、槍使い【ランサー】、弓兵【アーチャー】、騎手【ライダー】、暗殺者【アサシン】、魔術師【キャスター】、そして狂戦士【バーサーカー】以外の特別の存在。しかも、裁定者【ルーラー】でもなく、復讐者【アベンジャー】でもない、人類が経験したことのない【SITH】のサーヴァントという不安はあるけど。」