サーヴァントと助っ人 7

しかし、それがまずかった。これこそ、罠である。

 ドゥークー「ん?何やら様子がおかしい。今までは触れると地雷のように爆発したり、何かしらの魔術や呪いが発動するタイプだったが、今度は違ったようだな。」

だが、そんなことを口走る彼の表情は余裕そのものだ。彼の言う通り、今までの罠はあくまでも囮であったらしく、これが本当の目的だったようだ。

次第に、何やら鳥の姿をした何かが彼の周りを囲み始める。この鳥は、魔術で作られた警備用の魔術道具、又は魔術礼装や使い魔と呼ばれるものだ。どうやら、先ほど元就達が聞いた音の正体は、この鳥のような魔術道具が、あたりを警戒しているときに、草叢を分ける音だったということなのだ。

 ドゥークー「ふむ、これはさすがに厄介かもしれん。話によると、あの鳥は【シュトルヒリッター】というコウノトリの騎士という使い魔だとか。が、しかしだ。こやつらを撃破すれば向こうから出向いてくれるやもしれんな。」

ドゥークーは、左腰に付けていた何かを出すと、それを右手で取る。そのまま右手を構えるようにかざすと、取り出した何かから赤い光が飛び出した。それに合わせ、鳥たちも一斉にドゥークーを取り囲み始める。ここで、戦闘が始まった。

鳥たちが一斉に魔力を込めた光線を発射する。しかし、ドゥークーはそれを赤い【ライトセーバー】で次々とさばいていく。それどころか、その光線に目が慣れてきたのか、今度は的確にはじき返し始めたではないか。

 ドゥークー「その程度では私を倒すことは難しいなアインツベルン。フォースの前ではまだまだ甘い動きですぞ?」

彼はそう余裕を見せるが、この使い魔を使役できるのが果たしてこの世に何人いるのか、そもそも、歴史上に何人いたのかというレベルの代物の筈なのだ。しかし、【ダース・ティラナス】こと【ドゥークー伯爵】の前には苦戦せざるを得ないようである。