サーヴァントと助っ人 6

さて、ここで話を進める前に、爆音が起こる数分前まで時間を戻す。このことは、元就達は知らない話である。この森に、明らかに似つかわしくない人物が入りこむところから物語が始まる。背は190センチメートルは超えているだろうその人物は、白髪であるところから恐らく老人であることは間違い無い。しかし、その醸し出される雰囲気は、老人というよりは、まさに老紳士である。背筋は如何なる若者よりもまっすぐ垂直になっているところから、一瞬老人には見えないのだ。

 老人「さて、マスターの言う通りなら、この森であることに間違い無い。しかしだ、この森にお住いのお嬢さんはかなりセキュリティーに厳しいと見える。…しかし、これは科学とはまた違った技術だ。私はどちらかといえば科学信奉主義だが、魔術も悪くないとも思えてくる。」

老紳士は、そのまま森の中を突き進むつもりで一歩一歩進んでいくつもりだった。しかし、その前に、彼は何かを感じ取ったため、歩みを止めているのだ。

 老人「…成程。まずは、そこかね。」

何を感じ取ったのか、老人は森の中にある一本の木に目をやる。そのまま右手をその木がある方にかざす。すると、彼の手から何かを発し、その木は焼け焦げてしまった。

 老人「甘い。その程度の罠ではこの【ドゥークー】を欺くのは不可能。フォースの暗黒面の前には無力。さて、次は。…さて、次は。」

自分を【ドゥークー】と名乗るその老紳士は、次々と【魔術】によって張られた罠を破壊していく。そう、この森を治めるアインツベルンという貴族の正体は、魔術師の一族であったというわけである。この老人こと、ドゥークー伯爵は、あることをするためにこの森へと入りこんだのだ。それは、この森を治める人物でもある【アインツベルン城主】である【イリヤスフィール】の暗殺である。

 老人「これでよいな。どうやら、ライトセーバーを使わずに済みそうではあるな。」

老人はそうつぶやきながら、今度は草叢に隠されている罠めがけて手から電撃を放った。