サーヴァントと助っ人 16

 イリヤ「にしても、一体あなた何を考えているの!?戦わないふりをしたと思ったら、今度は戦闘意欲バリバリじゃない!!」

 伯爵「それはそうとも。戦闘を避ける必要がこれで無くなってしまったがゆえですよイリヤスフィール。相手が、そう。セイバークラスやほかのクラスなら戦いを避けましたとも。しかし、相手が【バーサーカー】なら、こちらにも勝機があるのです。私の【フォース】の力で。」

イリヤは、相手が只何も考えていないだけではないことを悟った。恐らく、相手が言う通り、バーサーカーに何かしらの影響を及ぼせる何か特別なスキルを持っている可能性を示したのだ。しかし、フォース等というスキルは全く聞いたことが無い。

 イリヤ【しかし、一体全体この人は何を考えているのかしら?しいて言うなら、何かを企んでいるぐらいかしらね。…でも、ここは一気にあの人に近づいて先制をつぶすしか無いわ。】

そうと決まれば、あとは相手を滅すするしか他選択肢はない。なら、彼女がいう言葉は只一つだけだ。

 イリヤ「いいわ、やってやろうじゃないの!手加減はいらないわ!やっちゃえ!バーサーカー!!!」

あとは、圧倒的暴威に彼女は任せておけばよい。恐らく、バーサーカーに比べれば、あの老紳士の純粋なパワー、俊敏さは圧倒的に格下のはず。一応、相手はセイバークラスとみた彼女は、こちらの狂戦士としての力をフルに利用するのみだ。だが、それが完全に的外れな見方だったと思い知らされることになる。

バーサーカーことヘラクレスは、ほぼ一瞬で相手との距離を詰め、手に持つこん棒で殴り倒そうとしたのだ。いつもなら、これですべてが終わろうかという程の一撃である。そして、彼は渾身の一撃を目の前の老紳士に一撃を食らわせる。…だが、何かがおかしい。そう、おかしいのだ。いつもならこれで終わるはずなのだが、明らかにいつもと感覚がおかしいのだ。それは、武器をふるった彼自身が次第に理解し始めた。信じがたいことに、バーサーカーの攻撃を受け止めていたのだ。そのことは、彼のマスターでもあるイリヤもすぐさま理解した。

 イリヤ「うそ…でしょ?」

 伯爵「いやいや、目の前の現実こそがすべてだ。【シス】のサーヴァントに不可能はないのだ。たとえ、この星一の英雄であったとしても、この【ダース・ティラナス】の前に屈することになろう。」