サーヴァントと助っ人 15

しかし、魔力反応に代わりはなく、その上一体何を考えているのか皆目見当もつかないのである。ただ、彼の雰囲気が、急に変わったのだ。彼の雰囲気は、先ほどの紳士的な態度はなりを潜め、狂気、怒り、憎しみ。━負の感情を全面に押し出した暗黒面に覆われ始めたのだけは理解できた。

 イリヤ「…一体、なんなの?その残念なことって」

 ドゥークー「それはですな。狂戦士ではなく、本来のクラスである弓兵で戦いたかったですが、そういうわけにはならなかったようですな。」

この言葉の真意をイリヤはすぐに理解した。彼は、相手の出方がそうであれ、始めから戦闘を回避しよう謎金輪際思っていなかったのだ。彼はそのまま右手を指先を彼女に向けると、強力な電撃を放った。すぐさまバーサーカーがかばったおかげで彼女に傷がつくようなことはなかった。しかし、かばった方は苦しそうな声を上げ、そのまま膝をつきそうになる。しかし、相手はかの大英雄。すぐさま立ちあがると、攻撃してきた彼に対し、完全に敵意を全面に押し出し始めた。

 イリヤバーサーカー!!大丈夫?」

だが、そんな彼も、彼女に対してはそんな素振りを見せることはなかった。いや、見せようとしなかったということが正しいであろう。その気づかいは、彼女もどことなく気がついてはいたが、あえて何も言わなかった。言わずとも、互いは以心伝心。自然に伝わるのだ。そして、二人は互いにある決断をする。

 ヘラクレス【----------------!!!!】

 イリヤ「そうね、こんな無礼なことを許しておくわけいかないわ。」

二人は、目の前の老紳士をにらみつける。当の老紳士は、何食わぬ顔で二人の様子を眺めている。そして、二人がこちらに敵意を向けていることを確認すると、自分も武器を取り出し、構えをとったのち、戦闘態勢に入り始める。