サーヴァントと助っ人 25

 ちなみに、この時の山本次官の活躍で、彼の異名の一つである【生けるサーヴァント】という仇名がつけられることになる。今は語ることが出来ないのは残念であるが、彼の言う通り、語る機会があれば語るとしよう。

さて、疑問が解決したところで、これからどうするかという話になる。まずは、町の中心部に移動しようという話になり、一行はそのまま【新都】と呼ばれる地区に向かうことにした。

さて、一方で元就たちはいたって絶望的な状況な状況に陥っていた。ヘラクレスが操られ、一体どうすればよいのか分からなくなってしまった。

 イリヤ「どうしたらいいの?考えるのは、あのおじさまをどうにかして打倒すことが理想なんだけど。」

 元就「どうやら、それは厳しそうだよお嬢さん。…いやいや、突然出てきてあまり役に立たなくて非常に申し訳ないけど。」

 イリヤ「いいえ、もう少しであの人を倒せたかもしれないチャンスをくれたはずなのに、仕留めそこなった私が悪かったわ。…そう言えば、おじいさまのお名前を聞いてなかったわね。」

 元就「おっと、そうだったね。私の名前は【毛利元就】。元就でいいよ、イリヤスフィール殿。」

 イリヤ「わかったわ、元就さん。先ほどはありがとう。…でも、今はお礼を言える弾じゃないかもしれないわね。」

元就は、年齢の差を気にしてないかのように、穏やかな口調で話しかける。惜しむらくは、彼女に一礼ぐらいしたいというのが本音ではあるが、今はそのような状況ではない。

そのことは、イリヤスフィールはしっかり理解しているようである。彼女も、一礼でもしようかと思ったが、いつ襲われてもおかしくない状況であるため、ここは大人しく相手の出方を見るしかないのであった。

 伯爵「そうですなおふた方。…よほどの奇跡が起こらない限り、あなた方はここで死ぬしか無さそうです。それと、あなた方がヘラクレス相手に手こずっている間に我がマスターから連絡がありまして、そこの老人も処分してもかなわないという連絡が入りましてな。…残念ですが、あなた方はここで終わりのようですな。」