サーヴァントと助っ人 24

 良牙「へぇ。そんなことがこの街で。…でもよ、そんなことなんで知ってるんですか?話によると、この話については知らない人のほうが圧倒的に多数という話だそうですが?」

 ランサー「ま、話をきいてなんとなく察しがついたかも知んねぇが、おれも立派なサーヴァントだ。名前がランサーなんて人間まずいねぇだろ?」

確かにそうである。名前が【槍兵】さんなんてそうそういないだろう。しかし、不思議だ。果たして山本次官はどうやってこんな大人物と知り合ったのか?どことなく疑問におもったので、さりげなく質問してみることにする。

 良牙「言われてみれば確かに…。しかし、気になるのが、二人はどうやって知りあったんですか?」

 山本「ん?ああ、それはね…」

そう言いながら、山本はどこからともなく細長い何かをどこからともなく出し始める。間違い無い、これは【釣り竿】だ。そう、この二人が知りあったのは、たまたま二人が同じ所で釣りをしていたからということだけの話なのであった。

 良牙「…まさか、たったそれだけの話?」

 山本「そう、ただ単にそれだけ。…まあ、彼がサーヴァントと気づくまではいろいろと話が続くんだけど、それはまた今度の話にしよう。長くなるからね。」

 ランサー「そういうこった。ま、世の中いろんなことがあるからよ。当然このようなことも偶然に起こりうるって訳だ。…て言いてぇ所だが、ほんとにこんなことってあるんだなって今としては思ってる。うん。」

 山本「そうですね…。しかし、あの後とんでもない事件に遭遇して…。いやはや、あの時は助かりました。…そして、あなたが【クーフーリン】本人と聞いたときは驚きましたけど。」

クーフーリン。アジアではそこまで有名ではないものの、彼の活躍が記されてあるケルト神話の舞台、地元アイルランドでは知らぬものはいないほどの大英雄である。振えば必中と言われる魔槍【ゲイボルグ】を持つ彼は、数多の武勇伝を残している。