第二章 前日 15
一方で、飛段と角都と戦っている毛利親子と桃白白と戦っているエルザとハヤテは共同で敵を対峙していた。
エルザ「なかなかやるな。貴様らも相当強いと見える。」
角都「そういわれるのは光栄だ。俺のいた世界にお前がいたらいい賞金首になっていただろうな。その上、そこのご老人と優男もなかなかやりおる。」
そういわれた二人の反応は、
毛利「いや~、ほめていただけるのは非常にうれしいんだけど、素直には喜べない。何せ、君たちが何か悪いことを考えていることは明白だからね。」
ハヤテ「確かに、相手方三人ともあまりいい人には見えませんね…。」
といったあまり印象のいいものでは無い雰囲気である。
飛段「あぁ?…う~ん。確かにあまり人相がいい感じじゃねぇな俺たち。でもよ、あんたらそれだけで俺たちが悪人かどうか決めつけんのは?俺はよぉ、只【ジャシン様】のために一生捧げている熱心な宗教家だぜ。」
あごの下を手でさすりながら、満足そうに話す飛段。そんな彼に対し、元就の息子、隆景がジャシン教について質問をする。
隆景「あの、飛段さん…とかいいましたよね?そのジャシン様って一体何なのですか?」
その言葉によくぞ聞いてくれたといわんばかりの笑顔を見せる飛段。どうやら、このことを早く聞いてほしかったようだ。
飛段「いいかぁ、ジャシン様の教えは【汝隣人を殺戮せよ】という敬虔深い宗教だ!いいかぁ、俺はジャシン様信じるようになってから俺は幸せだ!お前たちもジャシン様を信じてみろ!そうすればお前たちも救われ…」
そう力説している彼を無視して、何故かもうすでに戦闘が再開されていた。
飛段「こらあ!!俺を無視して戦い始めてんじゃねぇぞ!おい!そこにいる少年!これは一体どうゆうことだ!!!」
完全に無視した彼は怒りに任せ武器を振り回しながら、ハヤテに襲い掛かり始めた。
ハヤテ「いや、そういわれても困りますよ!そんなカルト宗教に興味なんか持ちませんって!!」
飛段は、カルト発言されたため余計に腹がたったのか、見境なくハヤテを襲い始めた。
飛段「てめぇ!ジャシン様はいい神様だぞ!カルト発言してんじゃねぇぞ…。」
怒りの力を武器己が鎌に注ぎ、振りおろそうとした。しかし、武器がびくともしない。引きもしない上に降ろせもしない。
飛段「な…動かないだと…」
武器が動かない理由は只一つ、ハヤテが飛段の鎌を片手支え、で動かないようにしていたのだ。しかも、彼の支えている
場所は武器の重心点となる部分。ここを持たれてしまえば当然、前にも後ろにも武器を動かすことは困難である。
ハヤテ「怒りに任せるのは良くないですよ。そうすることで、当然隙が生まれてしまいますからね。」
その少年の目を見た飛段は、この少年に只者ではないと感じる。
飛段【この少年…やるじゃねぇか!へへ、こりゃあ、ジャシン様に捧げるいい生贄になるってわけだ。】