第4章 異世界侵攻録 4

 ルガールは、余裕の表情を浮かべたままだ。アレンは、彼を倒さなくては教団がつぶされるということを肌で感じ取っていた。

 ゼーナ「成程、ここまではうまくいっているみたいね。…それにしても、両方自分たちがやりたい放題やっている感はあるけど、問題はなかったのかしら?」

 カヤの部下【サーチアイ】と【チクリ魔】そして、暁のメンバー【ゼツ】が記録した記録映像をここまで見たゼーナの感想は、実に的を得ていた。一見、両者とも作戦のようなものは立てているものの、実際は児戯のようなものだった。

 マダラ「確かに、両者とも作戦らしい作戦はまだやっていない。続きはこれから見てもらうが、ルガールはこの調子だ。しかし、軍師陳宮がいる呂布軍は精強なものだった。」

 ゼーナ「そう。あなたの言った通り、大部隊を要する呂布将軍はソウルソサイエティへ、奇襲にむいている黒の教団はルガールでよかったというわけね。」

ゼーナが感心している態度を示しているのを見たマダラは、謙虚な態度でこう付け加える。

 

 マダラ「まぁ、この提案をしたのは呂布軍の軍師【陳宮】だがな。あの男、もし長生きしておれば、あの諸葛孔明を超えておったやも知れん。歴史の表舞台から去ったのが早すぎたな。結果的に、彼を抜粋してよかったといえるが。」

今回の作戦は、全て呂布軍軍師【陳宮】が立てたものだ。三国志の物語の中では、わずかにしか登場しない彼だが、史実では最後まで自らの主君に仕えた有能な軍師だった。最終的には呂布に敗れ去ったものの、使える主君を変えていれば、更に大きく飛躍した可能性もある。マダラは、彼に会った瞬間から彼の才能に感嘆し、今作戦の軍師として彼の意見を全面的に認めた。

 ゼーナ「確かにそうね。三国と戦国を足し合わせた異世界で彼の軍略もパワーアップしたみたいだし。では、続きを見させてもらおうかしら。お三方、続きをよろしく。」

そうして、再び記録した映像を再生する。最初は、ソウルソサイエティを攻略した呂布軍の活動からであった。 

 ?「これは、聞いた以上の惨状だ。」

 ??「どうやら、流魂街の70から80番街が謎の軍に加担し始めたようだ。このままでは、暴徒が多くなる可能性もある。話によると、隊長クラスの我々二人が早めに鎮圧しろと上からの命令が先ほど下されたようだ。早めに、何とか鎮めねばならんだろう。」

 護廷十三隊十番隊隊長日番谷冬獅郎と、同じく七番隊隊長狗村左陣は、現世から帰還したばかりであったが、この惨状を見てどういうことか、他の部隊の者から情報収集をしているところであった。