第4章 異世界侵攻録 5

 日番谷「それにしても、相手は何者なんだ。あれだけの兵力を動員できる奴なんているのか?」

 狛村「そのことについては、まだ何とも言えない状況だ。…うん?どうやら、あそこにも黒ずくめの軍隊が暴れまわっているようだな。」

 二人の目の前には、跳梁跋扈する謎の軍隊を見つけた。その軍の兵士たちは、どさくさに紛れて略奪を働き、田畑を荒らし、護庭十三隊の隊員たちを圧倒的な力量差で蹴散らしていた。何故だかは分からないが、黒い軍は、兵士の一人一人が一人の武将が如く、意思統率力が生半可なものではない上に、個々の武勇は如何なる軍をも凌いでいる。

 日番谷「ああ、どうやらあいつらがそうだな。助けよう。もしかすると、何か情報が得られるかもしれないからな。」

二人は、目の前にいた呂布軍の兵士数人を速やかに撃退し、無事隊員たちを救出することが出来た。隊長格の二人が来たことにより、隊員たちの戦意が向上したのが一番の要因であった。

 隊員A「おふた方、ありがとうございます。おかげで助かりました。」

隊員の一人からお礼の言葉を聞いた日番谷は、現在の状況をその隊員から聞くこととした。隊員が着ている羽織りに書かれてある数字は自分の隊員とは違う【六】の数字だ。ほかの面々を見てもどうやら、自分たちと同じく留守にしていた部隊が中心となっている。唯一、十一の数字を見かけないのは気になった。

 狛村「うむ、皆無事で何よりだ。…そう言えば、十一番隊のメンツが見えないようだが?」

 五番隊隊員「はい、どうやら彼らはほかの舞台の救援に向かっているようです。十一番隊のメンバーは、皆精強ですから。」

二人は話をきいて、やはりそういうことかと納得した。隊長が隊長である。部下もやはり精強になっているのだなと【改めて】感じていた。

 日番谷「あぁ、班目あたりが頑張ってんだろうな。あいつらほんとに元気だな。あいつらがこっちにいて良かったなと思うぜ。そういや、松本を見た奴はいないか?」

 七番隊隊員「そうですね…我々は見ていないですね。」

ほかの隊員たちも、首を横に振るだけで、これ以外の新たな情報を得られそうな雰囲気ではないようだった。