第4章 異世界侵攻録 3

ルガールは、後ろにいる一見弱々しそうな少年がいるほうを向く。マダラとかいう仮面の男が言っていたのはこの少年かと呟いた。

 ルガール「ほう、誰か声がするかと思いきや、蠅どもの騒ぎを駆けつけてやってきたか。君がエクソシスト、ウォーカー君で間違い無いと見た。」

アレンは自分の名字を語るルガールに驚きを隠せない。いきなり現れた男、ルガールに面識が全くないからだ。 

 アレン「ああ、僕がアレン、アレン・ウォーカーだ。お前は一体何者だ!何のためにこんなことを!」

ルガールは、獣のような目つきでアレンを見つめたかと思うと、突如辺りに響きわたる声で笑い始める。

 ルガール「ハッハッハァ。なるほど、それもそうだな。なら、君の質問に答えてあげようではないか!」

頼まれていないのに彼はどこか偉そうに、上から目線で悠然と話し始める。この男の性格がよく分かる一面だ。

 ルガール「私の名はルガール。武器商人だ!ここを襲った理由、それはだな…」

言葉を言い終えようとするその瞬間だった。アレンは気がついたときには目の前のルガールは自分の後方へ既に移動しており、ルガールのかかとが後頭部に直撃するところまで来ていた。

 ルガール「君たちエクソシストをおびき寄せ、殲滅させることだ!」

アレンは、攻撃に対し一瞬早く反応したため、無事にかわすことが出来た。

 アレン「くっ、危ないところだった。何だ、今の動きは?あのルガールとかいう男もイノセンスを?」

 ルガール「残念だ少年。私は武器という武器を一切持たない主義だ。…まぁ、蹴りを強化するために、気にいった革靴におもりを入れたり、軍手にサックをつけてはいるがね。」

 それにして明らかに異常なのだ。ルガールの足元は、ただ踵落としをしただけでは絶対にありえないほどの穴が開いているのだ。黒の教団があるこの絶壁の岩盤は並み大抵の固さではない。しかも、穴の周のようなりにはi稲妻の形をしたひびすら入っている。一体どれほどの力がその場所にかかったのであろうか?