異世界侵攻録 9

 アレン「くっ、もうどうしようもないというわけか…」

彼がそう諦めかけたその時である。突然、ルガールの背後から光がしたと同時に、彼の足元の地面が隆起し始めた。何が起こったのか一瞬理解でき無かったルガールは、瞬時にその場から離れた。

 隆起した地面の天辺が、砲台のような形になるやいなや、彼めがけて砲撃を開始する。しかし、その砲撃は、一発もかすらないどころか、一部は、ルガールの強烈な蹴り技によって破壊される一方だった。

 ルガール「ふっ、危うく体にあの天井のような穴が開くところだったな。誰だ、この私の邪魔をしようとする愚か者は?」

少し慌てた様子だったが、すぐに落ち着きを取り戻したルガールは、光のしたほうを向く。その方向は、ルガールの保有している戦艦・ブラックノアから放たれた砲弾により開いた天井の穴であった。よく見ると、その穴から三人の人影が写りこんでいた。正体は、坂田銀時と、エルリック兄弟である。

 銀時「おい、やべえよ。作戦通りやったけど見つかっちまったみてぇだぞ。そのさ、その錬金術とか何とかをやる時の光何とかなんなかったの?」

 エド「そんなこと言われてもよ、出来ねぇもんは出来ねぇしなぁ。」

 アル「こればかりは、どうしようもないよ。あの人を助けてあげないといけないって次官さんから通信があったからね。何とかしてあげないと。」

 そんな話声が、天井の穴から聞こえてくる。すると、再び光がその穴から漏れると同時に地面が隆起を始めたかと思えば、次第に巨大な階段のようになり、三人はそこから一段一段飛び降りながら、下へと向かっていった。

 ルガール「ほう、これはこれは、増援のお出ましのようだな。」

ルガールの目の前に、謎の三人組が降り立つ。アレンは、彼らの正体が何者か、聞きだそうと思わず声をかける。

 アレン「いっ、一体何が起こっているんだ?あなたたちは何者なのですか?」

しかし、一番年長であろう、木刀をもった天然パーマの青年が、その話はまたあとだと制止する。

 銀時「おっと、青年まずは、目の前のやばそうなおっさんを何とかしてからな。お前も、ここで終わっちゃあいけねえってのはわかってるだろ?」

その言葉を受け、一体何が起こっているのかは理解できないが、これでこちらが優勢になったことは間違い無い。四人は、目の前に立ちはだかる、巨大な怪物を相手に戦いに挑み始めた。