異世界侵攻録14

 そのころ、ルガールは教会の地下にある【目的の物】を探索していた。

ルガール「しかしだ。あの女が言う通りの場所に【ライフストリーム】とやらはあるのかね?時空の乱れとかいうなんだか訳の分からんもののせいで、こちらの世界に流れ込んでいるようだが…」

 どうやら、ルガールはライフストリームというものを探しているらしい。それが一体何を指しているのか、それはまだ分からない。

ルガール「どうやら、見当違いだったというわけだな。一体これだけ派手なことをして何もないとはさみしい話だ。」

 イラついたルガールは地に向けて手を振り上げる。すると、砂塵が宙を舞い、地面が突然えぐれたのだ。

ルガール「ハッ、思わず本気をこんなところで出してしまうとは。…仕方あるまい、ここは引き上げるとしよう。まぁ、敵地の奇襲という最低限の約束はできたからな。」

 そうして、彼は引き上げようとしたが、突如足元から手の形をした岩が足を掴もうと迫ってきた。エドワードの錬金術攻撃である。

ルガール「ほう。いつの間にかここまで追ってきたか。」

エドワード「ああ、俺だけしか追わなかったけどな!ほかの三人ならまだ騒いでるよ。…どうやら、さっきの攻撃は当たらなかったみてぇだな。じゃあ、これでどうだ!」

 ルガールは、間一髪のところでエドワードは、錬金術のために手を合わせて、地面からさまざまなものを練成する。動く銅像やら彫刻やらが繰り出す、ルガールバーンシュタインに対する攻撃は緩まることはない。

 ルガール「なかなかやるようだな。これなら楽しめそうだ。…だが、それでは力不足だな。」

その銅像たちは、一瞬のうちにすべて破壊された。このままでは、絶対にらちが明かない。エドワードはすぐにそう悟った。

 エド「あぁ~やっぱり上の三人連れてくるべきだったか?」

 ルガール「君の言う通りだな。一人ではもはや何も出来んぞ!もう君に用事はない、去れ。死にたいのか?」

エドワードはその言葉を聞き、すぐに引き始めた。

エドワードは後ろを振り返りながら、ルガールが遠ざかっていくのを確認する。

 エドワード「駄目だ、あいつやっぱり化け物だ。全くどうすればいいんだ?」

実は、エドワード以外の三人もすでに喧嘩をやめていた。途中までは本当に喧嘩だったのだが、途中からアレンが機転を利かせ、ルガールの目を欺いていたのだ。

 銀時「どうするも、あのおっさんが早くここから立ち退いてくることを祈るしかねぇだろうな。ま、俺んとこの総大将さんがこれから司令を出してくれるはずなんだが…。これがまったくこないんだよな。」

 アル「そうなんですよ。いったいどうしたらいいのかまだ分からないですし。」

ルガールにばれないように四人でひそひそ話を続ける。そして、このまま物語に進展が見られないまま、ルガールは立ち去るはずだった。