異世界侵攻録18

 元就「はぁ。どうやらなんだか分からない所に飛ばされてしまったみたいだね。さて、どうしようか。このまま動いたらまず危険というのが筋なんだけど…」

 元就は、少し目線を上げて遠くを見つめると。遠くから何やら砲撃音がしたのが聞こえてきた。

 元就「おおう!なんだかすごい砲撃音がしたんだけど、今のは一体…」

と、その砲撃音がしたすぐあとに、元就が所持していた25世紀製の通信機に誰かが連絡を入れたようだ。相手は、時空省アジア支部司馬懿からだった。

 司馬懿「聞こえるか?元就殿。司馬仲達だ!」

 元就「ああ、司馬懿殿。私が言いたいことは理解できるかい?」

 司馬懿「何も言うな。分かっている。大変な事件だったようだな。しかし…、今の爆撃音はもうやつらの侵攻戦が始まってしまったというわけか。」

 元就「ちょっとまって。未だ状況がよくつかめてないんだ。詳しく聞かせてもらえないかな?

司馬懿は少し咳払いをした後、貞操を正したのか、少しばかりの間が開いた。そして、彼は様々なことを説明してくれた。山本次官が現時点で行方不明であることや、元就公を含む、彼につき添っていた者たちの居場所の特定が済んでいないこと。そして、二つの異世界で何者かの侵攻が始まったということだった。

 

 元就「つまりは、つい先ほどの砲撃はその謎の勢力による時空犯罪をおっぱじめたというわけかい。しかも、我々が何者かに襲われたということを誰も知らないというわけだね。確かに、あの時に展開されていた結界はそういったものとは次官から聞いていたけど。…あの事件は敵側の本格的な作戦の前段階というわけだった、という所かな。」

 エド「ふむふむ、そういうわけだったのか。」

 アル「ふむふむ。おかげさまでひっどいめにあったね。」

 元就「うんうん、そうだねぇ…て、君たちいつの間にいたの!」

どこからともなく現れたエルリック兄弟に元就は驚いた。一体今までどこにいたのか。