異世界侵攻録 ルガール・バーンシュタイン3

 ルガール「君たち、そのまま私を差し置いて悠長なことをしてもいいのかね?」

それは、突然であった。いままで瓦礫に埋もれていたルガールが、爆音を立てながら瓦礫を吹き飛ばし、目を光らせながら立ちあがっていたのだ。しかも、よく見ると、ルガールの体には傷一つ付いていないということが一目で分かった。

 エドワード「…うそだろ?あの攻撃を食らってノーダメージだと!」

 神田「ああ、どうやらあいつは相当な化物だっていうことだな。」

目の前に立つ巨大な隻眼の怪物に皆は凍りつく。話を聞いていたエドワードたちは、それでもまだ心にゆとりがあった。〔それでもほぼないようなものだったが〕だが、アレンたちは、動揺の色を隠せないでいた。あれだけの物理的ダメージを負っても、暗黒の微笑みで何事もなかったかのようにふるまうさまは、まさに怪物だった。

 

 元就「ああ、噂以上の男だよ。ルガールバーンシュタイン。もしかすると、タキシードを脱いだってことはようやく本気を出すといったところかい?」

 ルガール「その通りだ諸君!!やっとだ!やっとこの私に本気を出させる逸材が現れたこの喜びを隠せないでいる自分に何故か高揚しているのだ!」

 ルガール・バーンシュタイン。彼が表の世界に現れたのは1994年である。かれは、その莫大な資金力で、格闘大会【THE KING OF FIGTERS】を主宰し、世界中の格闘家たちを集め、自身の欲望を満たす為に彼らを戦わせた。その欲望とは決勝戦で自らが直々に戦い、【倒した格闘家たちの石造を作る】というものだ。しかし、その野望は阻止され、歴史の闇に消え去った。その後も、世界征服という大それた野望をかなえるために活動をしていたが、全て阻止されている。

 さて、問題は彼の強さである。彼が本気を出した場合、当時世界世界最強クラスとうたわれた格闘家が3・4人束で掛かってやっと互角になるという強さだ。ただし、これは本気を出す以前の話である。

 元就「これは少し大変なことになったんじゃないかな。」

 エド「いやいやいやいや、少しどころじゃねぇぞあの雰囲気。」

 アル「そうですよ!このままだと相当まずいんじゃないんですか?早く司馬一族の皆さんに連絡して…」

そう言い終わる直前である。何が起こったのか、そこにいる者たちは一瞬理解ができなかった。そして、信じがたいことだとだか、両腕をまっすぐ突き出しているルガールをみて、彼が何をしたのか理解してしまった。

 ルガール「君たち、少し静かにしたらどうかね?さもなくば、私の【カイザーウェイブ】で塵にしてもいいのだよ?」

彼の言葉で、それは確信に変わった。そう、かれは両手から時速二百キロ近い衝撃波を発したのだ。